漢字読み講座

【今日の難読漢字】「釉」「囲繞」「赫怒」「潸然」「夫々」ってなんて読む?

今日の難解漢字は、

「釉」

「囲繞」

「赫怒」

「潸然」

「夫々」

です!

どれもなんとなく読めそうな漢字ばかりですが、

なんと読むか分かりますか?

1つ目の漢字は「釉」です!

「由」のつく漢字って、いくつもありますよね。

木へんに「由」と書く「柚」は、「ゆず」。

車へんに「由」と書く「軸」は、「じく」。

しめすへんに「由」と書く「袖」は、「そで」。

でも「釉」は、見慣れない漢字ですね。

へんの部分も見慣れないですが、これは「釆(のごめ)へん」というんですって!

釆へんに「由」で「釉」、何と読むのかさっそく見ていきましょう。

「釉」の読み方のヒントは・・・?

「釉」は、陶磁器作りに使うものです。

粘土などで作った器を素焼きして、「釉」を掛け本焼きすることで陶磁器の表面がガラスのようにコーティングされます。

「釉」を塗った陶磁器は、ガラス状の独特の光沢を帯びます。

「釉」にはいろいろな種類がありますが、代表的なものは草木の灰と土石類を水で溶いた物です。

普段焼き物をしない人には、馴染みがない話が続きましたが、要は素焼きした上に掛ける薬ということです。

上に掛ける薬ですよ!

「釉」の読み方はひらがなで「〇〇ぐすり」です。

わかりましたか?

「釉」の読み方の答えは・・・?

正解は、「うわぐすり」でした!

「釉」の1文字で「うわぐすり」と読むなんて面白いですね。

ちなみに「釉(うわぐすり)」と同じ意味で「釉薬」と書いて「ゆうやく」とも読みます。

陶磁器の艶々したガラスのような材質は、「釉」のおかげなんですね。

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

2つ目の漢字は「囲繞」です!

「囲繞」を何と読みますか?

問題は2つ目の漢字です…初めて観る人が多いのでは?

早速ヒントを見てみましょう!

「囲繞」の読み方のヒントは?

1.「囲繞」をひらがなすると「〇〇○〇」となります!

2.不動産や土地に関係する用語としてメジャーな言葉

3.『そして、それを覆う千古の氷雪と、大氷河の囲繞。』小栗虫太郎「人外廃境」より引用

正解は…

正解は「いにょう」でした!「いじょう」と読んでも正解です。

「囲繞」は、「まわりを取り囲むこと」を指します。

「囲」は「かこむ、かくう」、「繞」には「めぐる・めぐらす・まとう・まつわる」という意味があります。

日常会話で使う機会は少ないですが、不動産、建設、法律用語としては頻繁に用いられます。

また、仏教用語では「衆僧が尊像のまわりを、右回りに巡って敬礼すること」を意味します。この場合、「尊敬するものを囲む」という点がポイント。

「囲繞」を使う言葉

囲繞地(いにょうち):公道に通じていない土地を囲んでいる周囲の土地

囲繞地通行権(いにょうちつうこうけん):他の土地に囲まれて公道に通じない土地(袋地)の所有者が、その土地を囲む他の土地(囲繞地)を通行できる権利

囲繞堤(いにょうてい):遊水地と河道を仕切る堤防

3つ目の漢字は「赫怒」です!

「赫怒

これ、何と読むかわかりますか?

 

こんな漢字、使ったことない!

という方もいるのでは?

 

さあ、あなたは何と読みましたか?

 

「赫怒」読み方のヒント!

 

「赫怒」は見た目の通り、怒ることに関する言葉です!

 

「赤」という漢字が2つ使われていることから

「せきど」や「あかど」と読みたくなってしまいますよね。

残念ながらどちらも不正解!

 

さて、あなたは何と読みましたか?

 

「赫怒」の読み方、正解は…

気になる正解は…

 

 

 

 

「かくど

です!

 

「赫怒」は、

「はげしく怒ること」「激怒している様子」を表した言葉です!

 

「大事なものを勝手に捨てられて赫怒する」

「赫怒のあまり顔が真っ赤だ」

というように使われます。

 

見慣れない「赫」ですが、

実はこれ自体にも「怒る」という意味が含まれます。

 

ただしこちらは、元の意味が「明るい」「盛んに」というもの。

「炎が大きく燃えて明るい様子」を表した象形文字が由来だからです。

 

そのため、怒るという意味でも

「かっと燃えるように怒る」という意味合いが強いんです。

 

そんな「赫」という字と「怒」という字を合わせることによって、

相当怒っている様子が伝わりますよね…

 

 

意味や成り立ちがわかれば、言葉が使われる情景まで伝わってきます。

これを機にスマートに読めるようになりましょう!

4つ目の漢字は「潸然」です!

本日も難読漢字クイズにチャレンジ!

「潸然」を何と読みますか?

なんだかかっこいい漢字ですね。

ではヒントを見てみましょう!

「潸然」の読み方のヒントは?

1.「潸然」の類語には、「はらはら」「さめざめ」などがあります。

2.「潸然」は人間の心、感情の動きと強いつながりがある言葉です。

3『潸然として一掬の涙を紫の袴の上に落した。』夏目漱石「吾輩は猫である」より引用.

正解は…

「さんぜん」でした!

涙を流して泣く様子をあらわす言葉です。

雨の降る様子を指す場合もあります。

「潸」の音読みは「サン」「セン」です。

訓読みはありません!

でも、昔の文学作品では「さめざめ」「はらはら」と読ませるケースが多いですよ。

例:『雪女は溶けるように潸然(さめざめ)と泣く。』泉鏡花「陽炎座」より引用

例:『阿駒は潸然(はらはら)と涙を落し』巌谷小波「こがね丸」より引用

ちなみに同じ読み方の「燦(サン)」はまったく別の意味

例えば、美空ひばりの名曲「愛燦燦」は、愛が光のようにきらきらと降り注ぐことを意味しますが、タイトルを「愛潸潸」に変えた場合、涙のようにさめざめと、雨のようにはらはらと降り注ぐ意味になります。

漢字ひとつで曲のニュアンスが変わってしまいますね!

5つ目の漢字は「夫々」です!

「夫々

これ、何と読むかわかりますか?

 

漢字自体はとても簡単なのに、なんだか見慣れないな?と思う方がいるかも。

 

さあ、あなたは何と読みましたか?

 

「夫々」読み方のヒント!

 

「夫々」の読み方は、実はとても簡単。

ただし漢字に釣られて「ふうふ」なんて読んではいけません!

 

実際の読み方は、普段の会話でもよく使う言葉です。

 

さて、あなたは何と読みましたか?

 

「夫々」の読み方、正解は…

気になる正解は…

 

 

 

 

「それぞれ

です!

 

「夫々」は、

「2つ以上のひとやものの一つひとつ」という意味の言葉です!

 

「それぞれ好きな映画を選ぼう」

「人それぞれ良いところがある」

などで使われる、とても一般的な言葉です!

 

ひらがなで書く場合が多いですが、

漢字で書く場合でも「其々」の方が見慣れているのではないでしょうか?

 

ちなみに「それぞれ」と読まれがちな漢字に「各々」があります。

こちらの読み方は「おのおの」です!

 

似ている言葉ですが、「各々」の方が「個別に」という意味合いが強いです。

微妙な違いを知って使いこなせると良いですね!

 

日常的に使っている言葉でも、わからなかった……という方が多いのではないでしょうか。

これを機にスマートに読めるようになりましょう!

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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flower
とにかく本が好きです!