今日の難読漢字は
「甑」
「蚤夜」
「而立」
の3問です!あなたは正しく読めますか?
目次
難読漢字、1問目は「甑」!
「甑」の読み方をご存じですか?
「瓶」という字に似ていますが、「びん」とは読みません。
どのように読むのでしょうか?
「甑」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「こ○○」の3文字
- 今でも使う器具のもととなった土器のことです
- 同じ読み方をする島があり、ドラマや映画になった作品(原作)の舞台になっています
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「甑」の読み方、正解は・・・
正解は
「こしき」
です!
食物を蒸すための調理器具として使われた土器で、中国では紀元前5000年頃から使われていたとされています。今で言う「蒸し器」のご先祖様にあたります。
日本でも5世紀頃に伝来し、主にもち米を蒸す時に使われていたのではないかと言われています。
この「甑」が名前の由来となった「甑島列島」が、鹿児島県薩摩川内市(さつませんだいし)にあります。上甑島(かみこしきしま)、中甑島(なかこしきしま)、下甑島(しもこしきしま)の3島と多数の無人島からなる列島で、海岸にある岩の形が「甑」に似ていることから名づけられたと言われています。
下甑島はドラマ、映画化された作品の舞台で、ドラマや映画では違う架空の島になっていますが、原作では読みがほぼ同じ「古志木島」という名前になっています。
今でも地名として残っている「甑」の読み方を是非覚えてくださいね。
難読漢字、2問目は「蚤夜」!
「蚤夜」の読み方をご存じですか?
「蚤」は「ノミ」のことをあらわす漢字なので「のみよ」と読んでしまうと間違いになります。
それでは、何と読むのでしょうか?
「蚤夜」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○○や」の3文字
- 「蚤」には「はや(い)」という訓読みがあります
- 「早夜」と同じ意味があります
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「蚤夜」の読み方、正解は・・・
正解は
「そうや」
です!
なんとなく「ノミに刺されて眠れない夜」のようなイメージをしてしまいますが、ノミとはまったく関係なく「朝早くから、夜遅くまで」をあらわす言葉です。転じて「朝早く起き、夜遅く寝る」という意味もあります。
実は「蚤」という漢字には
- ノミ科の昆虫の総称
- はやい(早、夙に通じる)
- 爪
こんなに意味があります。蚤の音読み「ソウ」が「早」につながるため、早いという意味で使われているのです。
同じように「蚤」を使った四字熟語で「蚤寝晏起(そうしんあんき)」がありますが、こちらは「夜早く寝て、朝遅く起きる」という「蚤夜」とまったく逆の意味になります。
今では昆虫以外の意味で使われることはあまりない「蚤」の意外な使い方と一緒に読み方も覚えておいてくださいね。
難読漢字、3問目は「而立」!
「而立」の読み方をご存じですか?
「而」は「両」という字に少し似ていますが「りょうりつ」ではありません。
それでは、何と読むのでしょうか?
「而立」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○りつ」の3文字
- 同じ読み方で「立」の字を使う熟語があります
- 年齢のことをあらわす言葉です
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「而立」の読み方、正解は・・・
正解は
「じりつ」
です!
「而立」は「三十歳」の異名です。四十歳を「不惑(ふわく)」と呼ぶのと同じ「論語」の一節から来ています。「自立」と読みが同じで、語源の意味としては通じるところもありますが、而立はあくまでも三十歳をさす言葉となっています。
ちなみにここで言う「三十歳」は数え年のことなので、実際はその人が29歳になる年の1年間になります。
論語「三十而立」
「論語」は紀元前に中国で「儒教(じゅきょう)」という思想体系を作った「孔子(こうし)」やその弟子たちの教えをまとめた書物です。「子曰く、〇〇~」という表現を見たことがある方もいらっしゃると思います。
その中で有名な一節に
「子曰、吾十有五而志于學。三十而立。四十而不惑。五十而知天命。六十而耳順。七十而從心所欲、不踰矩。」
があります。孔子が自身の生涯を語った言葉で、十五歳で学問を志し(「志学」)三十歳で学問の基礎が確立し(「而立」)四十歳で自分の学問に疑問を持たなくなり(「不惑」)五十歳で天から与えられた使命を知り(「天命」)六十歳で心に余裕ができ、反対意見を聞いても反発しなくなり(「耳順」)七十歳で意のままに行動しても規範から外れることがなくなった(「従心」)という意味になります。
これをもとに三十歳は「而立」と呼ばれているのです。
四十歳の「不惑」は有名ですが、他の年齢はどんな呼び方をしているのか、自分の年齢と照らし合わせて確認してみるのも面白いと思います。
さて、難読漢字3問、いかがでしたか?
意外や読み方をする漢字や昔とはちょっと意味が変わった言葉など、漢字には様々な歴史があります。クイズの正解不正解を競うのも面白いですが、どうしてその言葉がそんな意味になったのか、を調べるのも面白いですよ。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!