「看督長」を何と読みますか?
「看督」と「長」なので、偉い人でしょうか?
歴史が好きな人は読めるかもしれません。
「看督長」の読み方のヒントは?
1.「看督長」をひらがなにすると5文字になります。
2.「看督長」が活躍していたのは平安時代です。
3.『この騒ぎを見た看督長は、早速そこへ駈けつけて、』芥川龍之介「邪宗門」より引用
正解は…
正解は「かどのおさ」でした!
「看督長」は平安時代の検非違使庁(けびいし庁)の下級職員で、身分は「火長」。
検非違使庁は、当時の警察機関にあたります。
「看督長」は最初、宮中の清掃や獄舎を守衛する看守の役割を担っていましたが、後に犯人追捕や巡回も主な仕事となりました。
警察は警察でも、キャリア組ではない下っ端の現場担当といったところでしょう。
「看督長」のいでたちは、赤狩衣・白衣・布袴に白い杖。
庶民に頼りにされていた面もありましたが、その一方、宮仕えの権力をかさに着た傍若無人な振る舞いの記録も残っています。
喜田貞吉の「放免考」や「今昔物語」によると、満期などで放免された囚人を検非違使庁が最下級の役人として雇うことがあったのだそう。
つまり、「看督長」の役人は、元々犯罪者だったケースが珍しくなかったのです。