今回の難読漢字クイズは…
「蹕」「齦」「顫える」です。
3つ読めたら自慢できます!
目次
1個目の漢字はこれ!「蹕」
まずはこの漢字!
「蹕」です。
交通史に詳しい人は知っているかもしれません。
「蹕」の読み方のヒントは?
1.「蹕」をひらがなにすると5文字になります。
2.警備の人が忙しくなります。
3.古くは天子の行幸や巡行で目にしました。
正解は…
正解は「さきばらい」でした!
「蹕」とは、位の高い人が道路を通る際に通行人の流れを止めたりよけさせたりさせることです。
目的は、偉い人の通行を妨げないこと!
昔は「道押(みちおさえ)」「道払い(みちばらい)」などとも呼ばれたのだそう。
『路払ひいたしをくり届くべけ候』「籾井家日記」より引用
なお、同じ意図で乗り物を一時停止させることは「駐蹕(ちゅうひつ)・駐輦(ちゅうれん)」といいます。
「駐蹕・駐輦」には、位の高い人がその土地でいっとき滞在するという意味もあります。
現代社会で、「蹕」や「駐蹕・駐輦」を目にする機会があるとしたら、サミット開催時や皇族のお出ましといったシチュエーションが考えられますね。
「蹕」の音読みは「ヒツ・ヒチ・ヒ・ビ」、訓読みは「さきばらい」、漢検1級18画の漢字です。
「蹕」は「足」と「畢」の組み合わせ。「畢」には、すき間を封じる、抑える、押さえるなどの意味があります。
2個目の漢字はこれ!「齦」
「齦」を何と読みますか?
生き物にとって大切なものです。
毎日ケアしなくては…
「齦」の読み方のヒントは?
1.「齦」をひらがなにすると3文字になります。
2.「齦」をドイツ語にすると「Gummi」、イタリア語では「gomma」です。
3.『肉の落ちた齦のあたりには』 木暮理太郎「黒部川奥の山旅」より引用
正解は…
正解は「はぐき」でした!
一般的には「歯茎」と書かれますね。
歯の根元からぴったりと包む肉のことです。
「齦」の音読みは「ギン・ゴン・コン・カン・ケン」訓読みは「はぐき」「齦む(かむ)」、漢検1級21画の漢字です。
「齦」は「歯」と「昆(こん)」の組み合わせ、「昆」は「根(ね)」を意味する漢字です。
同じように「はぐき」と読む漢字に「齶」があります。
「齦・齶」はとても似ているので間違えないよう注意してください。
ちなみに、「齦齶」の2つを並べると「ぎんがく」という熟語になります。
「齦齶」の意味は、岩石などがデコボコしている様子です。
他にも、「齦」を使う熟語をいくつか紹介しましょう。
齦齦(ぎんぎん):齦が見えるほどに笑うさま
齦割(こんかつ):噛んで割る、噛み砕くこと
歯齦炎(しぎんえん):齦の炎症、いわゆる歯肉炎のこと
3個目の漢字はこれ!「顫える」
「顫える」を何と読みますか?
古典文学が好きな人は分かるかもしれません。
ちょっと意外な読み方ですよ。
「顫える」の読み方のヒントは?
1.「顫える」をひらがなにすると「〇〇える」になります。
2.「顫える」の類義語には「戦慄」「寒気立つ」「震慄」などがあります。
3.『眼球が不規則に動いて、唇が顫えました。』小酒井不木「印象」より引用
正解は…
正解は「ふるえる」でした!
寒さや激しい感情で体が小刻みに動くこと、細かく揺れ動くことです。
昔の文学作品には多用されていましたが、現代は「震える」と書かれることが多いでしょう。
「顫」の音読みは「セン」、訓読みは「顫く(おどろく)」「ふるえる」、漢検1級22画の漢字です。
年をとると手が「顫える」人が増えてきますね。
動作中の「顫え」は動作時振戦(どうさじしんせん)と呼ばれ、同じ姿勢をとり続けている、手を動かしている、目標物に手を伸ばしている、といった状況で起こります。
逆に、じっとしていると「顫える」のは安静時振戦(あんせいじしんせん)と呼ばれ、動作をすると止まります。
前者は本能性の振戦のケースがほとんどなので、40歳以上なら珍しくありません。
しかし、後者の場合はパーキンソン病に特徴的な「顫え」なので、専門医に相談するのがおすすめです。