今回は「杖朝」「啐啄」「狒狒」です。
見たことはあるのに、なかなか読めないこれらの漢字。
あなたは全部読めますか?
目次
1問目はこの漢字から!「杖朝」
「杖朝」は、「つえあさ」としか読めない!
・・・そう思ってしまう人も多いのではないでしょうか?
さらに「杖」と「朝」が組み合わさった言葉「杖朝」が、どういう意味なのかも想像がつかないですよね。
何と読むのか?
どういう意味なのか?
さっそく見ていきましょう!
「杖朝」の読み方のヒントは・・・?
「杖」も「朝」も、訓読みではなく音読みします。
「杖」の訓読みは「つえ」だと分かっても、音読みは・・・?という方も、「朝」の音読みは分かるのではないでしょうか?
そうです、「ちょう」です!
そして「杖朝」の読み方は、ひらがなにすると「〇〇〇ちょう」の6文字になります。
考えてみてください。
「杖朝」の読み方の答えは・・・
正解は、「じょうちょう」でした!
「杖」の音読みですが、視覚障害のある方が使用する杖を「白杖(はくじょう)」ということから推測した人もいるのではないでしょうか?
気になる「杖朝(じょうちょう)」の意味ですが、満60歳を「還暦」、満88歳を「米寿」と呼ぶような年齢を表す言葉の1つなんです。
「杖朝」はずばり、80歳の呼び方。
儒教の経典「礼記・王制篇」に書かれている古代中国で使われていた言葉で、「80歳になれば朝廷でも杖を突くことを許された」ことから「杖朝」が80歳の呼び方になりました。
ちなみに「杖国(じょうこく)」は70歳の呼び方。
「70歳になれば国中つえを突くことが許された」ことから、70歳を意味しています。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
2問目はこの漢字!「啐啄」
「啐啄」を何と読みますか?
見れば見るほど、あまり馴染みのない漢字ですが…
実はとても素敵な言葉ですよ!
「啐啄」の読み方のヒントは?
1.「啐啄」をひらがなにすると3文字になります。
2.教育関係の人はピンとくるかもしれません!
3.『受授が情を異にし啐啄が機に違へば、』幸田露伴「平将門」より引用
正解は…
正解は「そったく」でした!
「啐啄」は、逃してならない好機、またとない好機を意味する言葉。
「啐啄」の「啐」は驚く、叫ぶ、呼ぶこと、「啄」はついばむことです。
卵の中の雛(ひな)が殻を内側から破ろうと鳴く声が「啐」、母鳥が殻をつつき割る音が「啄」。
雛が「もう出たいよ」とサインを出して、母鳥が「ここから出ておいで」とサインを出したときが「啐啄」なんですね!
どちらかのタイミングがズレると孵化(ふか)は上手くいきません。
「啐啄同時」
啐啄同時(そったくどうじ):師匠と弟子の呼吸がぴたりと合う禅宗の禅語
同じ意味合いで、啐啄の機(そったくのき)、啐啄同期/啐啄同機(そったくどうき)、ともいいます。
教育業界では、教師や保護者と子どもの関係に例えて用いるケースが多いでしょう。スポーツ業界ではコーチと選手の関係に用いられます。
部下の指導をする際は心がけたいですね!
最後はこの漢字!「狒狒」
「狒狒」の読み方をご存じでしょうか?
「煮沸(しゃふつ)」の「ふつ」に似ていますが「ふつふつ」と読むのはもちろん間違いです。
「狒」はよく見るとケモノ編なので、動物に関係のある言葉のようですが…
さて、あなたには正しい読み方がわかりますか?
「狒狒」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「〇〇」の2文字
- 動物園でお馴染みの大型の猿です
- 大猿のような妖怪のことを「狒狒」といいます
以上の3つのヒントから考えてみてくださいね。
「狒狒」の読み方!正解は!?
正解は「ヒヒ」です!
「狒狒(ヒヒ)」とは、オナガザル科のヒヒ属とゲラダヒヒ族の哺乳類の総称になります。
猿の中では大型で、鼻と口が突出した顔が特徴です。
動物園のマントヒヒやマンドリルなどは有名ですね。
ヒントにも示したように「狒狒」とはそもそも猿を大きくしたような妖怪の名前で、年老いた猿が妖力を得ると「狒狒」と呼ばれる妖怪になると言われていたとか。
また、中年以降の好色な男性を「狒狒爺(ひひじい)」「狒狒親父(ひひおやじ)」などと呼ぶ場合もあります。