今回は「窮まる」「醗す」「鬚」です。
見たことはあるのに、なかなか読めないこれらの漢字。
あなたは全部読めますか?
目次
1問目はこの漢字から!「窮まる」
今回の難読漢字クイズは「窮まる」です。
「窮地に陥った!」の「キュウ」ですね。
他の読み方は…さて、なんでしたっけ?
「窮まる」の読み方のヒントは?
ヒント1.「窮まる」をポジティブな意味で使うケースは基本的にありません。
ヒント2.『しかもなほ力の窮まるを知らず、女子教育の必要を論じ、』芥川龍之介「病中雑記」より引用
ヒント3.「これ以上不祥事が続くと、わが社は進退窮まるでしょう」のように使います。
3つ目のヒントでピンときた人が多いかもしれません。
正解は…
正解は「きわまる」でした!
どうしようもない状態に追い詰められた状態をあらわし、事件や出来事に起因する極限状況のことだけでなく、経済的に苦しいことも含みます。
「窮」の音読みは「キュウ」、訓読みは「窮まる(きわまる)」、15画の常用漢字です。
「窮まる」と「極まる」の違いは?
「窮まる」と同じ読みで「極まる」という漢字がありますが、両者に違いはあるのでしょうか?
「窮まる」が追い詰められたネガティブな意味合いなのに対し、「極まる」は限界や頂点に達する時にも使うため、ポジティブな意味合いもあります。
例えば、強く感動したときに「感極まる」と書きますが、「感窮まる」とは書きません。
2問目はこの漢字!「醗す」
「醗す」と書いて、なんと読むか分かりますか?
最大のヒントは、お酒や味噌や醤油に関係することです!
お酒好きの人はもうわかったかもしれません!
さて、「醗す」と書いてなんと読むでしょうか?
「醗す」読み方のヒントは?
「醗す」は、醗酵食品(はっこうしょくひん)のことで食品を醗酵させることです。
一度できあがったお酒や味噌を、もう一度発酵させることをいいます。
簡単にいえば酵素が広がっていくことを醗酵といい、もっと身近なもので言えば漬物もそうです!
最近では「発酵」と書かれていることが多いかも。
お酒を熟成させることを酒を醗すといい、醗酵させることで旨味を出しているのですね。
醗酵という言葉が使われているだけで、なんだかおいしそうという気持ちになりますが、実際に手間暇かけて作られているので、当然美味しいです!
「醗す」読み方のもうひとつのヒントは?
ひらがなにすると「〇〇す」です!
さて、もうわかりましたか?
「醗す」の読み方、正解は・・・
正解は・・・
「かもす」
です!
ぜひ、覚えておきましょう。
最後はこの漢字!「鬚」
本日の難読漢字クイズは…
「鬚」です!
早速ヒントを見てみましょう!
「鬚」の読み方のヒントは?
1.「鬚」をひらがなにすると4文字になります。
2.「鬚」の新入社員はいませんが、役員には多いかもしれません。
3.『髭、髯、鬚、まるで銀の針金を植えつけたようで、』小山清「桜林」より引用
4.フランス語では「barbe」、イタリア語では「barba」です。
正解は…
正解は「あごひげ」でした!
一般的には「顎髭」ですね。
若くて似合う人はなかなかいません……。
ちなみに、ひげ全般を「髭」と書きますが、口ひげは「口髭・髭」、唇のすぐ下のひげは「承漿(しょうしょう)」、頬ひげは「頬髯・髯」、耳ひげは「鬍(こ)」です。
「鬚」の音読みは「シュ」「ス」、訓読みは「ひげ」「あごひげ」、漢検1級22画の漢字です。
「鬚」の上部は、髪の毛を意味する「かみがしら」という部首。
下部の「須」は、『あごひげの垂れた老人』を描いた象形文字です。
「鬚」の日本史
戦国時代の武士はひげを生やしていましたが、江戸時代は剃る武士が増えて、1670年代には「大ひげ禁令」が発令されました。
しかし幕末からは再び、ひげを生やす人が多くなり、文明開化で完全にひげ文化が復活!
第一次大戦後には、ひげ剃りの習慣がすっかり庶民に定着しました。