今回は「塘蒿」「匪ず」「抜錨」です。
見たことはあるのに、なかなか読めないこれらの漢字。
あなたは全部読めますか?
目次
1問目はこの漢字から!「塘蒿」
「塘蒿」なんて馴染みのない漢字、読めそうにもない!
・・・と思われる方もギブアップしないでください。
野菜の名前を表す漢字ですよ。
さっそく考えていきましょう!
「塘蒿」の読み方のヒントは・・・?
それでは、ヒントです!
- 「塘蒿」の歴史は古く、古代ギリシャやローマで香料や薬として用いられていました。
- 癖のある香りが特徴です。
- 惜しまれつつも解散した国民的アイドルグループのヒット曲のタイトル「〇〇〇」
さあ、分かりましたか?
「塘蒿」の読み方の答えは・・・
正解は、「セロリ」でした!
「塘蒿(セロリ)」の「塘」は「つつみ・川や池の土手」、「蒿」は「よもぎ」という意味をもつ漢字です。
16世紀末に日本に入ってきた当時は、よもぎの1種だと思われていたようでこの漢字が当てられました。
ちなみに「塘蒿(セロリ)」を日本に初めて持ち込んだのは、誰だか分かりますか?
何と、戦国武将の加藤清正なんですよ!
そのことから、セロリは別名「キヨマサニンジン」とも呼ばれていたんだとか。
江戸時代になるとオランダ船によって長崎に伝わり、明治中頃から栽培されるようになりました。
オランダから伝わったことから「オランダミツバ」とも呼ばれていたんですよ。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
2問目はこの漢字!「匪ず」
「匪ず」と書いて、なんと読むか分かりますか?
ことわざに「我が心石に匪ず転ずべからず」がありますが、聞いたことはありますでしょうか?
きっと「匪ず」の読み方も聞いたことがあると思いますよ!
さて、「匪ず」と書いてなんと読むでしょうか?
「匪ず」読み方のヒントは?
「匪ず」は、〇〇ではない、〇〇しない。と、後に続く言葉に対して否定の意味を持つ言葉です。
「匪」だけだと悪者という意味です。
ちなみに「我が心石に匪ず転ずべからず」の意味ですが、
石は転がして動かせることができるが、自分の心は転がせない!
ということです。
強い信念のような気持ちを持つことで、何事にも動じないようにという強い志を持つ、といった感じで使います。
「匪ず」読み方のもうひとつのヒントは?
ひらがなにすると「〇〇ず」です。
さて、もうわかりましたか?
「匪ず」の読み方、正解は・・・
正解は・・・
「あらず」
です!
同じ読み方の物に「心ここにあらず」がありますが、こちらは「心ここに有らず」と書きます。
ぜひ、覚えておきましょう。
最後はこの漢字!「抜錨」
「抜錨」の読み方をご存じですか?
「錨」は「猫」という字に似ていますが、猫とは関係がありません。
それでは、何と読むのでしょうか?
「抜錨」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「ば○○○○」の5文字
- どちらの字も音読みです
- 「錨」は訓読みで「いかり」と読みます
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「抜錨」の読み方、正解は・・・
正解は
「ばつびょう」
です!
「錨」はヒントでも出した通り「いかり」と読む漢字で、船を止めておくために水底に沈めるものです。その「いかり」を抜くということから「船が出航する」ことをあらわす熟語です。
対義語は「投錨(とうびょう)」で、船が止まるために錨をおろすという意味になります。
この「いかり」をあらわす文字、江戸時代までは「碇」という文字を使っていました。
明治時代からは「碇」ではなく「錨」が使われるようになった理由にはいくつか説がありますが、日本船で使っていた「いかり」が廃れ、西洋船で使っている「いかり」が多く使われるようになったことが背景にあったようです。
「抜錨」という言葉も明治時代に入ってから多く使われるようになりました。
錨を抜くだけではなく、出航するという前向きな意味を感じる「抜錨」の読み方、この機会に是非覚えてくださいね。