今日の難解漢字は
「田舎漢」
「物見遊山」
「莫臥児」
「蛁蟟」
「拠所無い」
です!
どれもなんとなく読めそうな漢字ばかりですが、
なんと読むか分かりますか?
目次
1つ目の漢字は「田舎漢」です!
「田舎漢」の読み方をご存じでしょうか?
「田舎(いなか)」+「漢(かん)」で、「いなかかん」と、読んでしまいそうになりますよね…
でも、それは間違いです。
さて、あなたには正しい読み方がわかりますか?
「田舎漢」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「〇〇〇〇〇〇」の6文字です
- 「漢」の字は男性を意味し、そのまま「かん」と読みます
- 田舎者(いなかもの)の男性のこと
以上の3つのヒントから考えてみてくださいね。
「田舎漢」の読み方!正解は!?
正解は「でんしゃかん」です!
意味はヒントでもお伝えしましたが、田舎者の男性のこと。
通常は「田舎」と書いて「いなか」と読みますが、訓読みで「でんしゃ」と読ませているのは、面白いですね。
「漢」という字は男性を意味し、「熱血漢」のように、「~な男性」といった意味でつかわれる場合が多いでしょう。
たとえば、「軟骨漢(なんこつかん)」は意思が弱い男性のことで、「硬骨漢(こうこつかん)」は意思が強い男性のことです。
また、「無腸漢(むちょうかん)」は節操がない男性、「無頼漢(ぶらいかん)」はならず者やゴロツキをいいます。
2つ目の漢字は「物見遊山」です!
「物見遊山」
これ、何と読むかわかりますか?
一般常識として読めて当然!読めないと赤っ恥!?という漢字なのですが……
さあ、あなたは何と読みましたか?
「物見遊山」読み方のヒント!
「物見遊山」は、どこかにお出かけに行く時に使われる言葉です。
よく「ものみゆうざん」と読まれますが、これは間違い。
「ものみ」までは合っているのですが……
さて、あなたは何と読みましたか?
「物見遊山」の読み方、正解は…
気になる正解は…
「ものみゆさん」
です!
「物見遊山」は、
「気晴らしにさまざまな場所を見物しに行く」という意味の言葉です!
ふらっとどこかにドライブしに行って、遊び歩くようなイメージです。
あくまで「気晴らしに」なので、気の向くままに見物しに行くことを指します。
「●時のバスに乗って、あそこの遺跡を見て、ここでご飯を食べて……」
というような、計画的な旅行は「物見遊山」とは言わないので注意しましょう。
基本的にはいい意味ですが、仕事などで「物見遊山みたいだね」と言われたら、
「遊びに来てるんじゃないんだから」というニュアンスが含まれるので
気をつけるようにしましょう。
意味がわかれば使いやすい「物見遊山」。
これを機にスマートに読めるようになりましょう!
3つ目の漢字は「莫臥児」です!
今回の難読漢字クイズは…
「莫臥児」です!
みなさん見たことや触ったことがあるはず。
「莫臥児」の読み方のヒントは?
1.イベントの飾り物としては大定番です。
2.洋服の襟元に「莫臥児」をあしらうとクラシックな装いに。
3.莫臥児織りは日本の名物裂として有名です。
正解は…
正解は「モール」でした!
「莫臥爾」と書いても正解です。
他に回々織、毛宇留、毛織などがありますが、すべて当て字なので漢字に意味はありません。
「莫臥児」の由来はインドの旧ムガル帝国特産の金銀を織り込んだ紋様織物。
この織物は「ムガル」と呼ばれ、ポルトガル語の「モグール」と訛り、日本で「莫臥児(モール)」に変化しました。
日本に伝わったのは戦国時代から桃山時代にかけての南蛮貿易とされています。
現代では金銀の糸で刺繍をした襟や腕章の飾り模様、キラキラしたアルミ箔を組み合わせた細長い飾り、針金にカラフルな糸などを巻いた飾り、全て「莫臥児(モール)」と呼びます。
一般的には名物裂の織物「莫臥児」より、クリスマスツリーの「モール飾り」の方がなじみ深いかもしれませんね。
一説によるとツリーのモール飾りは、ヘロデ王の追跡から赤ん坊だったイエスを守った蜘蛛の巣にちなんでいるそうですよ。
4つ目の漢字は「蛁蟟」です!
「蛁蟟」を何と読みますか?
秋が近づくと、この虫の鳴き声が響きます。
早速ヒントを見てみましょう!
「蛁蟟」の読み方のヒントは?
1.「蛁蟟」をひらがなにすると7文字です。
2.俳句では初秋の季語です。
3.学名は「Meimuna opalifera」
4.『蛁蟟が八釜しいまで鳴いているが』寺田寅彦「根岸庵を訪う記」
正解は…
正解は「つくつくほうし」または「つくつくぼうし」でした!
「ちょうりょう」と読んでも正解です。
「オーシーツクツク」と鳴きますね。
別名には、筑紫恋し(つくしこいし)、法師蝉(ほうしぜみ)があります。
そして、非常にややこしいのですが、「蛁蟟」と書いて「みんみんぜみ」とも読んでも間違いではありません。
ちなみに、初秋に鳴き出す蝉すべてを「寒蝉(かんぜみ)」と呼びます。
「蛁蟟」の鳴き声は面白い!
「蛁蟟」の鳴き声といえば「オーシーツクツク」だけの印象が強いでしょう。
でもリアルな鳴き声を順番に再現すると、他の蝉より複雑なのです。
ジーッ・ジワジワジワ・オーシー・ツクツクボーシ、ツクツクボーシ・フィーヨ、フィーヨ
いろいろなパーツが組み合わさっていて、まるでひとつの楽曲のようです。
鳴くのは午後から日没後くらいまでです。
5つ目の漢字は「拠所無い」です!
本日の難読漢字クイズは…
「拠所無い」です!
あなたは何と読みますか?
「拠所無い」の読み方のヒントは?
1.「拠所無い」をひらがなにすると「〇〇〇〇〇ない」になります。
2.「拠所無い」の類語には、致し方無い・余儀無い・不可避・必至などがあります。
3.『拠所無いことで人から頼まれたものを』高村光雲「幕末維新懐古談」より引用
正解は…
正解は「よんどころない」でした!
そうする他にない、やむを得ないことですね。
「拠所(よんどころ)」とは、「拠り所(よりどころ)」のこと。
「拠り所」は頼る・支えとするところを意味しています。
日常的な会話で使う機会は少ないかもしれませんが、事情があって約束を守れない場合や待ち合わせに遅れるようなケースに適した言葉です。
ちなみに、方言ではありませんよ!
「よんどころない」と「やんごとない」は違う?
「拠所無い」に似た響きの言葉に「やんごとない」があります。
「やんごとない」は家柄や身分が高い高貴な人を指す言葉、「拠所無い」とは全く違うので、混同しないよう注意が必要です。
例えば、『やんごとない事情で欠席します』は日本語として間違っていますが、『拠所無い事情で、やんごとない方の誘いをお断りした』は正解です。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました!