今回は「忽然」「転ぶ」「看督長」です。
見たことはあるのに、なかなか読めないこれらの漢字。
あなたは全部読めますか?
目次
1問目はこの漢字から!「忽然」
「忽然」と書いて、なんと読むか分かりますか?
惚ける(ほうける)や葱(ねぎ)の漢字に似ていますが、読み方は全然違いますよ。
突然よりも、もっと急激な感じです!
さて、「忽然」と書いてなんと読むでしょうか?
「忽然」読み方のヒントは?
「忽然」とは、物事の出現・消失が急なことをいいます。
忽然は、急に現れたり消えたりする時に使い、突然は前触れなしに思ってもないようなことが起こる時に使います。
突然よりも、もっと急に出現したり消えたりするので、ドキドキして驚くというよりはなんだか信じられないという感じです。
「音も無く忽然と現れる」
「昨日まで普通に隣に住んでいた住民が忽然と消えた」
なんて風に使います。
「忽然」読み方のもうひとつのヒントは?
ひらがなにすると「〇〇〇〇」です。
さて、もうわかりましたか?
「忽然」の読み方、正解は・・・
正解は・・・
「こつぜん」
です!
「こつねん」とも読みますが、断然「こつぜん」の方が普段使いできます。
ぜひ、覚えておきましょう。
2問目はこの漢字!「転ぶ」
「転ぶ」の読み方をご存じですか?
普通に読むと「ころぶ」ですが、実は違う読み方があります。
何と読むのでしょうか?
「転ぶ」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○○ぶ」の3文字
- 「床にころがる」「ころぶ」という意味があります
- 「転び出る」「こけつ転びつ」という使い方があります
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「転ぶ」の読み方、正解は・・・
正解は
「まろぶ」
です!
ヒントにも書いたように「床にころがる」「ころぶ」という意味があります。
昔は「転ぶ」を「まろぶ」と読んだ、といえばそれまでなのですが、現代小説の中でも使われることがある、文語的表現です。
「こけつまろびつ(倒けつ転びつ)」は「あわてふためいて倒れたり転がったりしながら走る様子」をあらわしていますが、なかなか他に的確な言いかえができる表現が見つからないので、今でも使われているのかもしれませんね。
ちなみに「こける」も「倒ける」の他に「転ける」という漢字が当てられることがあります。漢字の「転」だけでも多くの表現があり、面白いです。
もし小説などで見かけることがあったら「こういう読み方があったな」と思い出してくださいね。
最後はこの漢字!「看督長」
「看督長」を何と読みますか?
「看督」と「長」なので、偉い人でしょうか?
歴史が好きな人は読めるかもしれません。
「看督長」の読み方のヒントは?
1.「看督長」をひらがなにすると5文字になります。
2.「看督長」が活躍していたのは平安時代です。
3.『この騒ぎを見た看督長は、早速そこへ駈けつけて、』芥川龍之介「邪宗門」より引用
正解は…
正解は「かどのおさ」でした!
「看督長」は平安時代の検非違使庁(けびいし庁)の下級職員で、身分は「火長」。
検非違使庁は、当時の警察機関にあたります。
「看督長」は最初、宮中の清掃や獄舎を守衛する看守の役割を担っていましたが、後に犯人追捕や巡回も主な仕事となりました。
警察は警察でも、キャリア組ではない下っ端の現場担当といったところでしょう。
「看督長」のいでたちは、赤狩衣・白衣・布袴に白い杖。
庶民に頼りにされていた面もありましたが、その一方、宮仕えの権力をかさに着た傍若無人な振る舞いの記録も残っています。
喜田貞吉の「放免考」や「今昔物語」によると、満期などで放免された囚人を検非違使庁が最下級の役人として雇うことがあったのだそう。
つまり、「看督長」の役人は、元々犯罪者だったケースが珍しくなかったのです。