漢字読み講座

【今日の難読漢字】「憧憬」「墨痕」「纔か」「瞋恚」「寂寞」ってなんて読む?

今日の難解漢字は

「憧憬」

「墨痕」

「纔か」

「瞋恚」

「寂寞」

です!

どれもなんとなく読めそうな漢字ばかりですが、

なんと読むか分かりますか?

1つ目の漢字は「憧憬」です!

「憧憬」の読み方をご存じでしょうか?

「どうけい」と読んでも間違いではありませんが、慣用読みになります。

慣用読みとは、間違えて読む人が多いため認められた読み方のこと。

今回は本来の読み方でお答えくださいね。

さて、あなたには正しく読むことができますか?

「憧憬」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「〇〇〇〇〇」の5文字です
  2. あこがれる気持ちのこと
  3. 長い髪の女性に憧憬を抱いた

以上の3つのヒントから考えてみてくださいね。

「憧憬」の読み方!正解は?

正解は「しょうけい」です!

ヒントに示したように「あこがれる」気持ちを「憧憬(しょうけい)」と表現します。

しかし「憧憬」には、ただ単に「あこがれ」というだけではなく対象を高く見て尊敬し、崇めるようなニュアンスが感じられますね。

以下は「憧憬」を用いた例文です。

  • ルネッサンス時代の絵画に憧憬する
  • スポーツ万能で成績優秀な彼は、皆の憧憬の的だ
  • あなたの努力と大きな成果は、憧憬に値します

また、類語としては「敬慕」「愛慕」「讃美」などがあります。

2つ目の漢字は「墨痕」です!

「墨痕

これ、何と読むかわかりますか?

 

字面から意味はわかっても、正しく読めるかどうかは別問題。

スマートに読めたらかっこいいですよね。

 

さあ、あなたは何と読みましたか?

 

「墨痕」読み方のヒント!

 

「墨痕」は、ちょっとユニークな音の響きの言葉です。

 

「すみあと」と読みたくなりますが、正しい読み方は別にあります。

音読みで読んでみると……?

 

さて、あなたは何と読みましたか?

 

「墨痕」の読み方、正解は…

気になる正解は…

 

 

 

 

「ぼっこん

です!

 

「墨痕」は、

「筆で書いた墨のあと」という意味の言葉です!

 

通常の意味では単なる墨のあとのことですが、

「墨痕」が使われるときは、字や筆捌きが上手い場合がほとんど。

「墨痕鮮やかな書物」と言うように使いますよ。

 

類語には「筆跡」「筆運び」などがあります。

 

「墨」は、訓読みだと「すみ」ですが、

音読みでは「ぼく」と読みます。

「墨汁」「水墨画」などの熟語がわかりやすいですよね。

 

「痕」は「痕跡」などでも読むように

「こん」と読ませます。

2つの言葉を組み合わせると、音声が変化し「ぼっこん」に変化するんです。

 

なかなか耳慣れない言葉だからこそ、

一度覚えてしまえば忘れないはず!

これを機にスマートに読めるようになりましょう!

3つ目の漢字は「纔か」です!

本日の難読漢字クイズは「纔か」です。

「緩い(ゆるい)」という漢字と似ていますが…

3つのヒントで考えてみましょう!

「纔か」の読み方のヒントは?

1.「纔か」をひらがなにすると3文字になります。

2.「纔か」の類義語には「ぽつぽつ」「ちょっくら」「こころもち」などがあります。

3.『何んにも見えない処でも、纔に砂を分ければ貝がある。』泉鏡花「春昼後刻」より引用

正解は…

正解は「わずか」でした!

一般的には「僅か」と書くことが多いですね。

「纔か」とは、数量や程度などがほんの少しであること。そうするのがやっと、かろうじて、という様子。ささやかで粗末であること。

他に、「纔(ザン)」ひと文字の場合は、すずめ色・赤黒色・青黒色を指します。

「纔」の音読みは「サイ」「サン」、訓読みは「纔か(わずか)」、漢検1級23画の漢字です。

稀に「ひたた」と読むこともありますよ。

「纔か」の有名なことわざは、『一派纔かに動いて万波随う』

読みは、「いっぱわずかにうごいてまんぱしたがう」。

「纔か」な事件の影響が、いろいろな方面に及ぶことのたとえです。

「あの日に見逃してしまったミスが一派纔かに動いて万波随い、今回の大きな不祥事につながった」のように使います。

4つ目の漢字は「瞋恚」です!

「瞋恚

これ、何と読むかわかりますか?

 

見るからに難しい漢字で構成されているこの漢字。

 

さあ、あなたは何と読みましたか?

 

「瞋恚」読み方のヒント!

 

「瞋恚」は、見た目も読み方も馴染みがないかもしれません。

もともとは仏教用語で、現在使われる意味も仏教用語が由来となっています。

漢字の構成から「すいけい」などと読みそうになりますが、不正解。

 

ヒントは「〇〇い」!

 

さて、あなたは何と読みましたか?

 

「瞋恚」の読み方、正解は…

気になる正解は…

 

 

 

 

「しんい

です!

 

「瞋恚」は、

「強い怒り」「いきどおること」という意味の言葉です!

 

そもそもは「瞋」は、仏教においての煩悩のひとつ。

人間の諸悪や苦しみの根源のひとつとも考えられています。

 

特に強い怒りを表した言葉で、

自分の心に反するものに対して、怒り恨む言葉なのだとか。

自分の思うようにいかない人に対して、八つ当たりをしているような状態ですよね。

 

利己的な考えからの憤りなので、相手にぶつけてしまうのはNG。

怒りをコントロールする・滅することが悟りへの第一歩ですが、

現代社会を生きる上でも必要な心がけですよね。

 

ちょっと難しい言葉だからこそ、迷わず読めたらかっこいい「瞋恚」。

これを機にスマートに読めるようになりましょう!

5つ目の漢字は「寂寞」です!

本日の難読漢字は「寂寞」です。

「寞(?)」は「寛(ヒロ)」ではありません。

早速ヒントを見てみましょう!

「寂寞」の読み方のヒントは?

1.「寂寞」をひらがなにすると4文字になります。

2.「寂寞」の対義語には「盛況」「活気」「繁華」などがあります。

3.『真昼の寂寞を切り開いて、』芥川龍之介「女」より引用

正解は…

正解は「せきばく」でした! 「じゃくまく」と読んでも正解です!

「寂寞」とは、ひっそりして寂しいこと、静かな様子。心が満たされないもの寂しい様子。

「寞」の音読みは「バク」「マク」、訓読みは「寞しい(さびしい)」「寞か(しずか)」、漢検1級13画の漢字です。

日常会話で使う機会はすくないですが、小説や新聞で目にすることはありますね。

「寂寞」と「寂寥」はどう違う?

「寂寞」に似た言葉に「寂寥(せきりょう)」があります。

両者の違いに明確な定義はありませんが、「寂寥感」は「彼は寂寥感に襲われた」のように強い感情をあらわす際に多く用いられます。

一方で「寂寞感」は、「それは寂寞たる光景だった」のように、シチュエーションから抱く印象や感想をあらわす際に用いられることが多いです。

どちらもネガティブな言葉ですが、大人なら上手に使い分けたいですね。

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
出典:コトバンク

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とにかく本が好きです!