ソーシャル・ジェットラグという言葉をご存知でしょうか。日本語に訳すと「社会的時差ぼけ」という意味になります。このソーシャル・ジェットラグが体の不調の引き金になることがあるといいます。今回はソーシャル・ジェットラグがどういったものなのか、また原因や解消法にも迫ってみましょう。
目次
ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)とは?
ソーシャル・ジェットラグは、日本語では社会的時差ぼけという意味です。これは、平日と休日の睡眠の違いによって、就寝や起床のリズムにずれが生じる現象を指します。この概念は、2006年にドイツの時間生物学者であるTill Roenneberg教授が提唱しました。
ソーシャル・ジェットラグは平日と休日の起床時間のズレが原因
平日には仕事や会社があるので、起きる時間や寝る時間はだいたい決まっていますよね。しかし休日になると、起床時間がいつもより遅くなるという方は多いのではないでしょうか。
最近ではテレワークとオフィスワークの使い分けにより、起床時間にズレが生じる方も増えています。
起床時間が遅れることで、太陽の光を浴びる時間も遅くなります。これにより睡眠に関係するホルモン「メラトニン」が分泌される時間も遅くなってしまいます。
こうして起床時間のズレが体内リズムの乱れを引き起こし、まるで時差ボケのような状態となってしまうことがあるのです。これがソーシャル・ジェットラグの原因です。なお起床時間のズレが大きいほど、体内リズムの乱れも大きくなるとされています。
ソーシャル・ジェットラグになると、眠りたい時間に寝付けなかったり、日中の眠気がひどくなったりしてしまいます。休日明けの疲労感や眠気がひどい方は、ソーシャル・ジェットラグかもしれません。
ソーシャル・ジェットラグが引き起こす体の不調
ソーシャルジェットラグは、さまざまな体の不調を引き起こすこともあります。
メタボとの関連性が疑われる
ソーシャル・ジェットラグを提唱したRoenneberg教授らの調査によると、ソーシャル・ジェットラグの時間とBMIには相関関係があり、ソーシャル・ジェットラグの時間が長いほどBMIが高くなると考察しています。別のチームの研究では、BMIだけでなく体脂肪率も高くなることがわかったといいます。
認知機能が低下する
学生を対象に行った、ソーシャル・ジェットラグの時間とテスト成績との関連性の調査によると、ソーシャル・ジェットラグの時間が長いほど、テストの成績が悪くなる傾向にあることがわかりました。
ソーシャル・ジェットラグの解消法
ではソーシャル・ジェットラグを解消するにはどうしたら良いのでしょうか。ソーシャル・ジェットラグの解消には、平日も休日も、起床時間と就寝時間を一定にすることが大切です。どうしても寝足りないときは、30分以内の昼寝をすると良いでしょう。
起床後は、朝の光を浴びることで体内時計のズレがリセットされます。朝起きたら、まずはカーテンを開けて朝の光を浴びるよう心がけましょう。
規則正しい睡眠でソーシャル・ジェットラグを防ごう
休日はいつもと睡眠のパターンが変わりがちですが、意識して毎日同じ時間に起床・就寝をすることで、ソーシャル・ジェットラグを防ぐことができます。「最近なんとなく体がだるい、眠気がひどい」という方は、休日と平日の睡眠パターンを変えないよう心がけてみてくださいね。