睡眠の質を上げる

睡眠の開始時間調整や就寝前の行動でパフォーマンスアップを

睡眠を始める時間の重要性

みなさんは睡眠時間を気にして寝ているでしょうか?

「7時間は寝られるように」とか、そういう計算をしている方は多いと思います。

睡眠を始める時間、何時から寝るか?も大事

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0247104

この研究は、睡眠時間と睡眠不足、また何時から何時に寝るか、で成績がどう変動するかというのを比べた研究です。

この結果を簡潔に書くと、テスト開始時刻を遅らせることで、睡眠時間の短縮を防ぎ、学校の成績を向上させることができるということです。

テスト前は睡眠時間が短く、徹夜する学生もいる中で十分な睡眠が成績と相関します。
睡眠時間の短縮を防ぐために、「テスト開始時刻を遅らせる」という結論に至るわけですね。

これとは別の研究ですが、イギリスの高校で始業時刻を1時間遅らせたところ全体的に成績が向上したという話もあります。

思春期というのは睡眠相が後ろにずれているため、夜更かしするのがリズムとして合っており、始業時刻を1時間遅らせるのが生活リズムに合っていたとういことです。

このように、睡眠時間を自分のバイオリズムに合わせると「何時から寝始めればいいか」が分かりますので、どう寝たら一番パフォーマンスがアップするのか、自分のリズムを探ってみてください。

就寝前のスマートフォンでパフォーマンスを低下させる

寝る前にスマホ、使っていませんか?

https://www.cell.com/iscience/fulltext/S2589-0042(21)00127-9?_returnURL=https%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS2589004221001279%3Fshowall%3Dtrue

今度はこちらの研究を見ていきましょう。

この研究はスマートフォンのタッチスクリーンでの操作を記録して認知機能の変動を調べ、
手首に装着したアクチグラフィで記録した身体活動パターンと比較したものです。

端的にいうと、寝る寸前まで、なんなら布団に入ってから、スマートフォンをどれだけ使っているかが、パフォーマンスにどれだけの影響があるか、それを調べた調査結果になります。

その結果は、以下のようなものです。

認知活動、身体活動ともに、日周リズム(約24時間)と日周外リズム(約7日間)に支配されていることがわかりました。

やはり、24時間というのと、1週間というリズムは大事なものである、ということですね。

認知的パフォーマンスの代理指標である「タップ速度」、「ロック解除速度」、
「アプリ検索速度」は、身体活動よりも低出力の日周リズムを含んでいた。

スマートフォンを使い続けていると、日周リズムが低出力となり、パフォーマンスが下がる、ということになります。

また、認知活動と身体活動の差は、就寝時に顕著で、身体を休めながらスマートフォンを操作し続けていることがわかりました。

就寝前後のスマートフォンの操作は、自分が思っている以上にパフォーマンスに影響があるようです。

就寝前の1時間や就寝後の1時間に比べて、この時間帯の認知機能は低下していました。
実世界における認知活動の基礎となるリズムは、身体活動の基礎となるリズムとは異なるものであり、この不調和が現代人の行動の特徴である可能性を示唆しています。

人間の認知活動の基礎となるリズムがスマートフォンにより乱されることで不調が起きてしまい、パフォーマンスに影響がある、ということです。

まとめ

今回は、2つの研究をもとに睡眠とパフォーマンスについて書かせていただきました。

睡眠に関しては、睡眠時間も大事であるが、いつ寝るか、どの時間帯で寝るかも
パフォーマンスに影響があること。

そしてまた、就寝前後の1時間のスマートフォンが日中の活動時間でのパフォーマンスを顕著に下げるという結果がありました。

そのため、自分に合った睡眠リズムを発見し、就寝前後の1時間はスマートフォンを触らない(たとえば、寝室に持ち込まないなど)といったようなことをすると、日中のパフォーマンスが上がると考えられそこの部分は人それぞれの部分もあるので、色々試行錯誤することが必要です。

いかがだったでしょうか?
みなさんの睡眠が改善されることを願っています。

ABOUT ME
Mizuki
医師×YouTuber×WEBライターのみずき@精神科医と申します。 YouTube、Twitter、TikTokでメンタルヘルスに関する医療情報を発信しています。