今回は「初冠」「花豌豆」「逐鹿」です。
見たことはあるのに、なかなか読めないこれらの漢字。
あなたは全部読めますか?
目次
1問目はこの漢字から!「初冠」
「初冠」って何て読むか分かりますか?
(はつかんむり)ではありません。
(しょかん)でもありません。
古文に詳しい人は知っているのではありませんか?
平安時代に生まれた、日本最古の歌物語である『伊勢物語』の第一段の題名です。
さあ、一体何と読むのでしょうか?
「初冠」の読み方のヒントは?
「元服して初めて冠をかぶること」という意味です。
元服の年齢は11歳~17歳までの間に行われ、儀式は時代や身分などで変わります。
『伊勢物語』が作られた平安時代は、髪を結い冠をつけることが元服の儀式でした。
中世では、武家の世になりますので、冠ではなく烏帽子に変化します。
近世では、烏帽子も省略し、月代(さかやき)を剃るだけになりました。
何と読むか分かりましたか?
「初冠」の読み方、正解は……
正解は……
「ういこうぶり」
です!
「ういかがぶり」「ういかぶり」「ういかむり」
でも正解です!
『伊勢物語』の『初冠』は、昔ある男(在原業平)が奈良の都である春日の里に狩りに出かると、そこに若々しく美しい姉妹が住んでいる家を見つけます。
男は物陰から姉妹を密かに見つめていましたが、着ていた狩衣の裾を切って、和歌を書き二人に送りました、という内容です。
在原業平は情熱的な男性ですね!
最後までお読みいただきありがとうございました。
2問目はこの漢字!「花豌豆」
「花豌豆」って何て読むか分かりますか?
(はな……まめ)?
難しいですよね!
「豌豆」のが読みが分かれば、ヒントになります!
「花豌豆」は一体何と読むのでしょうか?
「花豌豆」の読み方のヒントは?
「豌豆」は(えんどう)と読みます!
えんどう豆の(えんどう)ですね!
「花豌豆」(はなえんどう)と読んでも正解です。
しかし、もっと想像しやすい名前があります。
ヒントは「赤い〇〇〇〇〇〇」です!
1982年に発売された曲の名前ですが、知ってる人も多いのではないでしょうか?
歌手は松田聖子さんです!
さあ、何と読むか分かりましたか?
「花豌豆」の読み方、正解は……
正解は……
「スイートピー」
です!
実は、松田聖子さんの「赤いスイートピー」が発売された当時は、赤いスイートピーはありませんでした。
正確に言うと、赤いスイートピーはありはしたそうなのですが、真っ赤なスイートピーではなかったそうです。
そこで、三重県のある農家の方が「赤いスイートピー」を聞いて、曲のイメージに合うような真っ赤なスイートピーを作ろうと考えました。
品種改良を重ねて、18年後にやっと「赤いスイートピー」が完成したそうです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
最後はこの漢字!「逐鹿」
「逐鹿」の読み方をご存じですか?
「逐」は「遂」という字に似ているので「ついしか」と読みたくなってしまいますが違います。
それでは、何と読むのでしょうか?
「逐鹿」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「ち○○○」の4文字
- どちらの字も音読みです
- 「鹿」は「鹿苑寺」と同じ読み方です
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「逐鹿」の読み方、正解は・・・
正解は
「ちくろく」
です!
「逐」には「おう(追う)」という意味があり、猟師たちが一頭の鹿を狙い争うという意味ですが、その様子から「有力者が地位をめぐって争うこと」という意味で使われることが多いです。「鹿」の音読みは「ロク」で、金閣寺の別名「鹿苑寺(ろくおんじ)」で耳にすることもあるかもしれません。
「逐鹿」の由来
「逐鹿」は中国の歴史書「史記」の時代から使われている言葉で「中原逐鹿」という言葉が有名です。「中原に鹿を逐(お)う」とも言われます。
「中原(ちゅうげん)」とは古代中国の中心地とされている地名で、多くの英雄たちがこの場所で帝位を狙って争うさまを、猟師たちが鹿をめぐり争うことになぞらえた言葉です。
鹿は古代中国ではかなり特別なものとして扱われており、一説には「神の乗り物」とも言われていたともされます。鹿を仕留めたら相当な名声を得られたのかもしれませんね。
「逐鹿」の読み方、この機会に是非覚えてくださいね。