漢字読み講座

【今日の難読漢字】「藍綬」「趨向」「纏る」あなたは何個読めますか?

今日の難読漢字は

「藍綬」

「趨向」

「纏る」

の3問です!あなたは正しく読めますか?

難読漢字、1問目は「藍綬」!

「藍綬」の読み方をご存じですか?

「藍」という字は「藍色」など色に使うことがありますが、「綬」は「授」に似ていますが見かけない字です。

いったい何と読むのでしょうか?

「藍綬」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「○○じゅ」の4文字
  2. 音読みです
  3. ほぼ「藍綬褒章」という使われ方をしています

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「藍綬」の読み方、正解は・・・


正解は

「らんじゅ」

です!

「藍」はタデ科の一年草やそれに由来する色素をもととした「あいいろ」をあらわす漢字です。「綬」は「官職を表したり、勲章・褒章などを下げたりするのに使うひも」のことをあらわします。

「褒章」は「社会や公共の福祉・文化などに貢献した者を顕彰するため、天皇から授与される記章(バッジのようなもの)のことを言います。

「藍綬(褒章)」は「あいいろのひもがついた褒章」という意味になります。内閣府のページには英語で「Medal with Blue Ribbon」と書かれています。色にすると暗い青色ですが、紺色(Dark Blue)よりは青色に近いということでしょう。

藍綬褒章とは

褒章には「紅綬褒章」「緑綬褒章」「黄綬褒章」「紫綬褒章」「藍綬褒章」「紺綬褒章」の6種類があり、それぞれ毎年春(4月29日、昭和の日)と秋(11月3日、文化の日)に天皇陛下から授与されます。ニュースで「春の褒章」「秋の褒章」などという言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。

「藍綬褒章」は授与対象が以下のように定められています。

・会社経営、各種団体での活動等を通じて、産業の振興、社会福祉の増進等に優れた業績を挙げた方

・国や地方公共団体から依頼されて行われる公共の事務(保護司、民生・児童委員、調停委員等の事務)に尽力した方

「藍綬褒章」の受章者は毎回400~450人程度です。全体の受章者が700人程度なので、藍綬褒章が圧倒的多数を占めています。ニュースで話題になるのはスポーツや科学、芸術分野で評価される「紫綬褒章」ですが、話題にならなくても貢献が評価されている人が多くいるということですね。

褒章の時期になったら「藍綬」の読み方を是非思い出してくださいね。

難読漢字、2問目は「趨向」!

「趨向」の読み方をご存じですか?

一見「趣向」という言葉に似ているように見えますが、「趨」は「趣」とは異なる漢字で「しゅこう」とは読みません。

それでは、いったい何と読むのでしょうか?

「趨向」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「○○こう」の4文字
  2. 音読みです
  3. 「趨」の字は「趨勢」などにも使われています

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「趨向」の読み方、正解は・・・


正解は

「すうこう」

です!

「趨」は「はしる」「おもむく」「目的にむかっていく」「はやい」「うながす」などの多くの意味を持つ漢字ですが、ここでは「目的にむかっていく」という意味になります。

「向」は「むかう」「むき」「以前」などの意味がある漢字ですが、ここでは「むき」という意味になります。

2つの文字を合わせた「趨向」は「物事がある方向にむかうことや、そのなりゆき」という意味になります。

「趨」と「趣」

最初に「趨」は「趣」とは違うという説明をしましたが、実は「趣」という漢字にも「向かう」「うながす」という意味があります。読みも音読みの「ソク」、訓読みの「おもむ(く)」「うなが(す)」のように一致している部分もあります。

しかし「向」をつけると意味はまったく違ってしまいます。「趣向」は「味わいやおもしろみが出るように工夫すること」という意味なのです。混同しないように気を付けましょう。

紛らわしい漢字ですが、「趨向」の読み方を是非覚えておいてくださいね。

難読漢字、3問目は「纏る」!

「纏る」の読み方をご存じですか?

「纏」という漢字は「塵」という字に似ているようにも見えますが、「鹿」という字が入っている「塵」とは異なり「里」という字が入っています。

いったい何と読むのでしょうか?

「纏る」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「○つる」の3文字
  2. 訓読みです
  3. 「纏める」という使い方もありますが、読み方は少し違います

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「纏る」の読み方、正解は・・・


正解は

「まつる」

です!

「纏」という漢字は「(衣服を)まとう」「まとい(戦陣や火事場の目印)」「まとめる」などの意味があります。ただ、「纏る」と書いた場合は、裁縫で折り曲げた布の裏面から針を出し、表地に縫い目が目立たないよう縫い付ける方法のことになります。「まつり縫い」と呼ばれるものです。服の裾がほつれて直す時よく使われる方法です。

「まつり縫い」と「まつりぐけ」

「纏る(まつり縫い)」について調べると、ほぼ同じ意味として「まつりぐけ」という言葉が出てきます。「くける」というのは縫うこと、特に糸目が表に出ないように縫うことをあらわしています。ほぼ「まつり縫い」と同じ意味ですが、裁縫をする時はよく「まるぐけ」「返しぐけ」などよく使われる言葉なので、頭の隅に置いておくと便利です。

服の裾がほつれるのは避けたいですが「纏る」の読み方は是非覚えておいてくださいね。

 

さて、難読漢字3問、いかがでしたか?
今回は特に直感で読みづらい問題を出してみました。

全問正解できた方も、今回はあまり正解できなかった方も、また難読漢字にチャレンジしてみてくださいね。

ABOUT ME
さとう みえ
漢字が好きで、学生時代に漢字検定2級を取得するも、社会に出てから特に書き取りが怪しくなっていることに気付きました。子供の宿題に付き合いつつ自分も勉強し直す日々です。IT×子育てのサイトを運営しています。