漢字読み講座

「差わす」「叛く」「寒しい」今日の難読漢字です!

今日の難読漢字です!

「差わす」「叛く」「寒しい」

あなたは3つとも読めますか?

1問目は「差わす」

1問目は「差わす」の読み方!

日常的によく使う漢字「差」には、「さ」以外の読み方があります。

「さわす」ではありません。

「差わす」の読み方のヒントは?

1.現代人が「差わす」を使うシチュエーションは、ほぼありません。

2.神はひとり子イエスを地に「差わした」。

3.お殿様が家来に言いました。「よくやった、褒めて差わす。褒美を差わそう」。

正解は…

正解は…

「つかわす」

でした!

「地に差わした」の「つかわした」は、目上の人が目下の者を行かせること、派遣することです。「遣わす」という漢字の方が一般的ですね。

「褒美を差わす」の「つかわす」は、目上の人が目下の者に何かをしてあげるとき、何かを与えるときの言い方です。

現代語に言い換えると、「与える」「〜してあげる」になるでしょう。格下に対する言い回しなので、少し尊大なイメージです。

他の読み方

今や時代劇でしか使われない「差わす(つかわす)」は訓読みで、他に「差う(たがう)」とも読みます。

「たがう」は、食い違いや隔たりなど、ある基準との「差」を意味します。

一方、音読みの「差(サ)」を使う言葉は数え切れません!

特に熟語はたくさんあり、格差・温度差・為替差益・一人時間差など、あらゆる意味の「差」を表しています。「叛く」を読めますか? もちろん「はんく」とは読みません。

2問目は「叛く」

次は「叛く」の読み方です。

あまり見かけない漢字ですね。

ヒントを見てみましょう。

「叛く」の読み方のヒントは…

昔、朝廷に「叛く」者たちを朝敵と呼びました。

朝敵とは、天子(天皇)に「叛く」者たちです。

母国に「叛いて」スパイになった。

正解は…

正解は「そむく」でした!

「叛く」は「裏切り」を意味します。

また、わきを向いたり背中を向けたりする動作も含みます。

「叛く」と「背く」は同訓異義

現在、「叛く」は「背く」に置き換えられるケースがほとんどです。

ほぼ同義語として扱われることが多いでしょう。

でも、「叛く」と「背く」には、実は微妙な意味の違いがあるのだそう。

「叛く」:味方であったものが敵になる「裏切り」を意味する。

「背く」:命令、意見、約束、期待、ルールなどに「従わない」こと。

このような関係を「同訓異義」といいます。

「叛」を使う言葉

「叛く(そむく)」は訓読みです。他に「叛れる(はなれる)」とも読みます。

音読みでは「ハン」「ホン」と読みます。

叛逆者(ハンギャクシャ)・叛乱軍(ハンラングン)・叛骨精神(ハンコツセイシン)・叛旗(ハンキ)をひるがえす・謀叛(ムホン)

たくさんありますね!

音読みの「叛」は、「反」に置き換えるケースが多いでしょう。

3問目は「寒しい」

うっかり「さむしい」と読まないで!

「寒しい」の正しい読み方は?

普段よく使う漢字だからこそ、読めないと悔しいですね。

「寒しい」の読み方のヒントは…

1.「寒しい」の正解は、寒々しいイメージです。

2.先進国は、「寒しい」国々を援助しています。

3.「寒しさ」に負けましたか? いいえ世間に負けました。

正解は…

正解は…

「まずしい」

です!

「まずしい」という言葉には、財産や金銭が乏しい、質・量ともに劣る、貧弱、足りない、満たされていないなどの意味があります。

「寒」の音読みは「カン」、訓読みは「まずしい」「さむい」「いやしい」「さびしい」です。

「寒」の珍しい使い方

最後に、「寒」を使った珍しい言葉を紹介します!

「まずしい」に関連した言葉

寒酸(かんさん)・寒士(かんし)・寒人(かんじん)・貧寒(ひんかん)・寒貧(かんぴん)・寒郷(かんきょう)

「さむい」に関連した言葉

寒鴉(かんあ・かんがらす)・向寒(こうかん)・避寒(ひかん)・寒喧(かんけん)・寒垢離(かんごり)・寒帯気団(かんたいきだん)

「寒」を含むことわざ

眠い煙い寒い:人間が我慢しにくいことを並べた言葉

河童の寒稽古:大変そうに見えても、本人にとっては何でもないこと

物言えば唇寒し秋の風:余計なことを言うと、思いがけない災難を招く

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イシカワマキコ
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