3つの難読漢字クイズです。
本日の漢字は「豺」「鎌鼬」「廂」!
目次
まずは「豺」
第一問は「豺」です。
「豹(ヒョウ)」と似ていますが…
あなたは何と読みますか?
「豺」の読み方のヒントは?
1.「豺」は、俳句で晩秋の季語です。
2.『豺や鰐や青鷺などの奇怪な動物の頭をつけた神々の』中島敦「木乃伊」より引用
3.動物を指す場合と人物像を指す場合があります。
4.ひらがなにすると4文字です。
正解は…
正解は「やまいぬ」でした!
実際に見たことがある人は少ないでしょう。
「やまいぬ」は訓読み、音読みは「サイ」です。
「豺(やまいぬ)」は、山で野生化した犬、もしくはニホンオオカミのことです。ニホンオオカミはすでに絶滅種で、最後に捕獲されたのは明治38年といわれています。
「豺(サイ)」には、非道、非情、残忍な悪人という意味もあり、このような人物を「豺狼(サイロウ)」や「豺虎(サイコ)」と呼びます。
「豺」を使う熟語
豺狼当路(さいろうとうろ):悪意を持つ人が国の重要な地位について、権力を使って人の道を外れた行いをすること。当路は道をふさぐという意味です。
蜂目豺声(ほうもくさいせい):冷酷で残忍な性質の人のこと。蜂目は蜂のように細い目、豺声とは「やまいぬ」のような気味の悪い声という意味です。
次は「鎌鼬」
第二問は「鎌鼬」です!
「鎌」はともかく、2文字目が難しいですね。
早速ヒントを見てみましょう。
「鎌鼬」の読み方のヒントは?
1.『ね、銭形の、こいつは鎌鼬じゃなくて、お稲荷様かも知れないぜ。』野村胡堂「銭形平次捕物控」より引用
2.生理的な現象、または妖怪を意味します。
3.案外経験者は多いかも…痛いです!
正解は…
正解は「かまいたち」でした!
いつの間にか切り傷ができる不思議な現象、または妖怪の名称として知られていますね。
切り傷ができる現象は「鎌風(かまかぜ)」ともいいます。
妖怪の方は「風鎌」「悪禅師の風」などとも呼ばれます。
切り傷ができる「鎌鼬」
「鎌鼬」の現象は東北地方や信越地方に多く、明治時代は、つむじ風の中心に出来る真空や低圧で皮膚が裂かれると考えられていました。
しかし現在では、皮膚表面が気化熱で急激に冷やされた際、自らの組織が変性して裂けるという説が有力です。
妖怪の「鎌鼬」
「鎌鼬」の「かま」には、刃物の鎌、風の間、構えて切るという意味の「かま」など数々の由来があります。
「いたち」については、目に見えない鼬(いたち)のような妖怪だから!
ちなみに「鎌鼬」は、いつも3匹(?)一緒に行動しているそうですよ。
最後は「廂」
第三問は「廂」です!
画数は多くありませんが…
何と読むのでしょう?
「廂」の読み方のヒントは?
1.「廂」をひらがなにすると3文字です。
2.「廂」は建物と関係の深い言葉です。次に関係が深いのはファッションです。
3.玄関やベランダに「廂」があると便利です。
正解は…
正解は「ひさし」でした!
一般的には「庇」と書くことが多いですね。
「廂(ひさし)」は訓読みで、音読みは「ショウ」「ソウ」です。
建物に関係する「廂」
扉や窓、縁側などの開口部の上に出っ張っているのが「廂」です。ちなみに、屋根の下部に出っ張っている部分は「軒(のき)」です。どちらも日差しや雨風から家を守ってくれます。
昔の寝殿造では、母屋 (もや) の外側に張り出した一段低い部分を「廂の間(ひさしのま)」「廂間(ひあわい)」と呼びました。屋根はなく、周囲に妻戸(観音開きの扉)などを立て、外に縁を巡らせた場所です。
ファッションに関係する「廂」
帽子に付いている日よけ「つば」「バイザー」を「廂」といいます。
また、明治30年後半から大正にかけて流行したのが「廂髪(ひさしがみ)」です。髪を束にまとめ上げ、前髪と左右耳際の髪を前方へ突き出すのが特徴でした。