今回の難読漢字クイズは…
「砌」「鐃」「鑾」!
3つのうち、いくつ読めますか?
目次
1個目の漢字はこれ!「砌」
最初の漢字は「砌」です。
「石」と「切」で構成されてますね!
早速ヒントを見てみましょう。
「砌」の読み方のヒントは?
1.「砌」をひらがなにすると3文字になります。
2.筆まめな人は知っているかもしれません。
3.『あの夜逃がしてつかわす砌、もしや重罪人であってはならぬと、』佐々木三津三「旗本退屈男」より引用
正解は…
正解は「みぎり」でした!
音読みは「セイ」「サイ」、訓読みは「みぎり」です。
「砌」の語源は「水限(みぎり)」、雨の滴(しずく)が落ちる際(きわ)です。
「砌」の意味は…
①軒下や階下の石畳
➁水際、水たまり、池
③庭
④ものごとが執り行われる所、場所
⑤特定の期間や時間をあらわす「折(おり)」「頃(ころ)」
①から④は現在あまり使われない言い回しですが、⑤の意味ではよく用いられます。たとえば高貴な人物の幼少期を指して、「幼少の砌」といいます。
手紙に用いる「砌」
「砌」は、手紙の時候の挨拶にも多用されます。ただし、女性言葉なので男性が使うことはあまりありません。
早春の候:普通は「そうしゅんのこう」と読みますね。しかし、これを「そうしゅんのみぎり」と読んでも正解です。
早春の砌:「そうしゅんのみぎり」と読みます。「早春のみぎり」とひらがなにしても正解です。こちらは「そうしゅんのこう」とは読みません!
2個目の漢字はこれ!「鐃」
次の難読漢字クイズは「鐃」です。
餅でも鏡でも、暁でもありません。
実物を見たことがある人は珍しいでしょう。
「鐃」の読み方のヒントは?
1.「鐃」をひらがなにすると2文字になります。
2.宗派によって、法事で「鐃」を目にするかもしれません。
3.戦国時代、「鐃」の音は武士の士気を高めたことでしょう。
正解は…
正解は「どら」でした!
「鐃」の音読みは「ドウ」「ニョウ」「ジョウ」、訓読みは「どら」。漢検1級、20画の漢字です。
古来はまじないに用いられた呪器または祭器に用いられたといわれています。
「鐃」にはふたつの意味があります。
ひとつは戦の際に鳴らす陣鐘(じんがね)のこと。敵味方の陣営で、合図を出すために鳴らしたのだそう。金属製で釣り鐘型(ベル)の大きな打楽器です。「どら」と読みます。
もうひとつは鐃鉢(にょうはち)、鐃鈸(にょうばち)という仏具のこと。「どら」という言葉が、この仏具を指すことがあります。宗派によりますが、法事でお坊さんが鳴らしますよ。金属製の打楽器で、円盤2枚でワンセット、シンバルに似ています。
「鐃」を使う熟語
鐃歌(ドウカ):鐃を伴奏にした軍が奏でる音楽
鐃吹(ドウスイ):鐃を鳴らして笛を吹くこと
鐃鼓(ドウコ):鐃を鳴らすこと、日本書紀に出てきます。
3個目の漢字はこれ!「鑾」
「鑾」を何と読みますか?
画数が多くてややこしいですね。
これが読めたらかっこいいですよ!
「鑾」の読み方のヒントは?
1.「鑾」をひらがなにすると2文字になります。
2.高貴な方の乗り物に飾られています。
3.銅や青銅製の物が多いです。
正解は…
正解は「すず」でした!
「鑾」の音読みは「ラン」、訓読みは「すず」、画数は27画、漢検1級の漢字です。
「鑾」を分解してみると、下部は「金」ですね!
上部は「䜌(ラン)」と読む漢字です。
「䜌」には、乱れる・もつれる/もつれを解く・絶え間なく・途切れなく続くさまという意味があります。
昔、日本の天皇や中国の皇帝など、その国の高貴な人は「天子」と呼ばれました。
天子が乗る馬車、もしくは天子の馬車を引く馬には「鑾」が付けられていたそうです。
「鑾」は金属製で、同じ読みの「鈴」と似ていますが、もっと大きな物です。
「鑾」が付いた御車を「鑾駕(ランガ)」または「鑾輿(ランヨ)」といいますよ!
「鑾」を使う言葉
鑾鈴(ランレイ):馬車に付ける鑾と同義。
金鑾殿(キンランデン):中国の三大殿のうちのひとつ、北京市にある「大和殿」の別名として知られる。
鑾野御前神社(すずのごぜんじんじゃ):東京都西多摩郡檜原村にある神社。可愛らしいオオカミ像が有名。