今回は「黹」「鞄」「魎」!
難読漢字3連発です。
あなたは全部読めますか?
目次
1個目の漢字はこれ!「黹」
「黹」を何と読みますか?
あなたが身に着けているものかも…
早速ヒントを見てみましょう!
「黹」の読み方のヒントは?
1.「黹」をひらがなにすると4文字になります。
2.クロスステッチ、ドロンワーク、ヘリンボーンステッチなどが有名です。
3.和服には、黹御召、黹家紋、黹縮緬などがあります。
4.「夜なべをして美しい黹を仕上げました」のように使います。
正解は…
正解は「ぬいとり」でした!
針で縫うこと、模様を刺繍することです。
現代は「縫い取り」と書くことが多いですね。
「黹」は、手のかかる仕事を意味する「業」の略体と、布地をあらわす「敝」の略体を組み合わせた会意文字。
音読みは「チ」、針仕事を「鍼黹(シンチ)」といいます。
訓読みは「ぬいとり」「黹う(ぬう)」、漢検1級、12画数の漢字です。
「黹」の意味
「縫い取り」と「刺繍」の違いはご存知でしょうか?生地を裏返すと、下記の違いが明白ですよ!
「縫い取り」は、生地を織る段階から横糸で模様を織り込むため、表と裏の糸が異なる形に仕上がります。
一方、「刺繍」は出来上がった生地の上に模様を縫い込むため、表と裏の糸が同じような形に仕上がります。
「黹」は一般的に、「縫い取り」と「刺繍」の両方を指す言葉です。
2個目の漢字はこれ!「鞄」
次の難読漢字は「鞄」です。
もちろん「かばん」と読んでも正解ですが…
他の読み方を考えてみましょう!
「鞄」の読み方のヒントは?
1.「鞄」をひらがなにすると、5文字になります。
2.「鞄」の別名はフランス語で「rivière de bronzage」、英語で「tanning river」。
3.「鞄」を作る作業は、古代エジプト時代から行われています。
正解は…
正解は「なめしがわ」でした!
動物の「皮」を剥ぎ取り、毛を除去して腐敗しないよう加工すると「革」になります。
皮を革にする工程が「なめし」と呼ばれる作業です。「鞣し」と書かれるケースが多いですね。
歴史が古いのはタンニンなめし、エジプト時代から行われています。次が1858年にドイツで開発されたクロムなめし、そして両者の工法を合わせたコンビネーションなめしが有名です。
日本独自のなめしとしては、牛皮を加工する姫路白鞄(ひめじしろなめしがわ)、鹿皮を加工する甲州印伝革などがあります。
「鞄」の音読みは「ハク・ホウ・ホク・ボク・ビョウ・ヒョウ」、訓読みは「かばん」「なめしがわ」、漢検準1級、14画の漢字です。
ちなみに「鞄」だけでなく、「鞣」「靼」「韋」も「なめしがわ」と読みますよ!
3個目の漢字はこれ!「魎」
「魎」を何と読みますか?
魑魅魍魎(ちみもうりょう)の「りょう」ですね!
さて、1文字の場合は?
「魎」の読み方のヒントは?
1.「魎」をひらがなにすると4文字になります。
2.「魎」の類義語には、「狐火」「怨霊」「怪異」「幻妖」などがあります。
3.源氏物語で葵上を苦しめた六条御息所の怨霊が、よく「魎」に喩えられます。
4.平安時代は、「魎」が人間の病気や死の原因になると考えられていました。
正解は…
正解は「もののけ」でした!
一般的には「物の怪」と書くことが多いでしょう。
「魎」の音読みは「リョウ」、訓読みは「すだま」「もののけ」、漢検1級18画の漢字です。「すだま」は「魑魅」と書きます。
「魎」分解してみると、化け物をあらわす「鬼」と「ふたつ」をあらわす「両」の組み合わせになります。つまり、「二本足の化け物」を意味するのです。
「魎」は本来、 山林や石の精気から生じる人面鬼身の霊や化け物を指していましたが、現代は生霊、死霊、妖怪、付喪神など非常に広い意味で用いられます。
映画「もののけ姫」が有名ですね。
最近は漫画、アニメ、ライトノベルでも「魎」をテーマにした作品が多いです。
日本の文献に初めて「魎」が登場したのは平安時代の日本後期だったと考えられています。