漢字読み講座

【難読漢字】「優渥」「粉黛」「寓ける」あなたは何個読めますか?

今日の難読漢字は

「優渥」

「粉黛」

「寓ける」

の3問です!あなたは正しく読めますか?

難読漢字、1問目は「優渥」!

「優渥」の読み方をご存じですか?

「渥」は「渥美(あつみ)半島」という地名があるので「ゆうあつ」と読みたくなりますが、そうではありません。

それでは、何と読むのでしょうか?

「優渥」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「ゆ○○○」の4文字
  2. どちらの字も音読みです
  3. 「渥」は「握」と同じ音読みです

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「優渥」の読み方、正解は・・・


正解は

「ゆうあく」

です!

「手厚いこと」「めぐみ深いこと」という意味があります。特に「神」「帝」など、上位の存在から手厚く扱われること、という意味合いが強いです。

元の意味は「水が足りる」

「渥」という漢字には「うるおう」という意味があり、「優渥」は元々「水が足りる」という意味でした。そこから転じて「神仏や君主が、恵みや情けを与えて人々をうるおすこと(恩沢)」という意味を持つようになり、そこから更に「天のめぐみ(天恩)」という意味に転じていったと言われています。

「水」は古代から重要な意味を持っており、世界中に雨をつかさどる神が存在しています。水が足りるということは、天(神)の恵みであり、とてもありがたいことだったのだろうと想像できますね。

字からはあまりイメージできない「優渥」の読み方、この機会に是非覚えてくださいね。

難読漢字、2問目は「粉黛」!

「粉黛」の読み方をご存じですか?

「粉」は「こな」と読めますが「黛」は「薫」に似ているようにも見えますが違う文字です。

いったい何と読むのでしょうか?

「粉黛」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「ふ○○○」の4文字
  2. どちらの文字も音読みです
  3. 粉は「白粉」のことをあらわしています

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「粉黛」の読み方、正解は・・・


正解は

「ふんたい」

です!

「粉」は「白粉(おしろい)」をあらわしており、「黛(まゆずみ)」は眉を描く墨や、まゆずみで描いた眉のことをあらわしています。そこから転じて「化粧」という意味があります。

「粉黛」=「美人」?

「粉黛」は「美人」という意味で使われることもあると言われています。

「六宮の粉黛は顔色なし」(長恨歌)

唐代の大詩人である白楽天(白居易)が玄宗皇帝と楊貴妃を歌った長編叙事詩「長恨歌」の冒頭にこのような表現があります。

楊貴妃といえば世界三大美人の一人で「傾国の美女」とも言われています。楊貴妃がひとたび笑ったら、六宮(後宮)の化粧をした美女たちでも太刀打ちできなかった、という意味になります。

この使われ方を考えると、確かに「粉黛」は「(化粧をした)美人」であることは間違いないですが、美しく見せるために装っている、つまり自然ではないという意味あいもありそうですね。

もし「粉黛」を女性の美しさを褒める意味で使う場合は、少し注意した方がよさそうですね。

難読漢字、3問目は「寓ける」!

「寓ける」の読み方をご存じですか?

「寓」は「ぐう」という読み方がありますが「ぐうける」ではありません。

それでは、何と読むのでしょうか?

「寓ける」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「○○○ける」の5文字
  2. 訓読みです
  3. 「託ける」という書き方もあります

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「寓ける」の読み方、正解は・・・


正解は

「かこつける」

です!

「あることをする口実として、関係のない他の事柄を理由とする」という意味があります。

「来客にかこつけて酒を飲む」というと、なんとなく意味が伝わるのではないでしょうか。

「託ける」と「寓ける」

「かこつける」という言葉自体は少なくとも平安時代から「かこつ」という表現で使われていました。ただ、漢字では「託つ」と書いていたようです。では、何故「寓ける」という漢字も使われているのでしょう。

「寓」という字は元々「身を寄せる、仮住まいする」というような意味で使われていました。「寓」が「かこつける」という意味で使われるようになったのは「寓話(ぐうわ)」という言葉が使われるようになってからではないかと思われます。

「寓話」は「教訓的な内容を、他の事物、主として動物にかこつけて表わした、たとえ話」という意味があります。「イソップ寓話(イソップ物語)」のような海外の物語が翻訳された時、ラテン語「fabula(広義の作り話)」の訳語として用いられるようになったのが「寓話」です。「寓話」が使われるようになったのは20世紀以降なので、その頃から「寓ける」という書き方も多く使われるようになったのかもしれません。

「寓ける」の読み方、この機会に是非覚えてくださいね。

 

さて、難読漢字3問、いかがでしたか?

昔から使われていて意味が少し変わった言葉や、近代になって使われ始めた言葉など、様々な難読漢字を選んでみました。

全問正解できた方も、今回はあまり正解できなかった方も、また難読漢字にチャレンジしてみてくださいね。

ABOUT ME
さとう みえ
漢字が好きで、学生時代に漢字検定2級を取得するも、社会に出てから特に書き取りが怪しくなっていることに気付きました。子供の宿題に付き合いつつ自分も勉強し直す日々です。IT×子育てのサイトを運営しています。