本日の難読漢字クイズは…
「兄弟星」「棚機津女」「卑奴母離」です。
全部読めたら漢字マスター!
目次
1個目の漢字はこれ!「兄弟星」
「兄弟星」を何と読みますか?
もちろん「きょうだいぼし」でも正解なのですが…
難読漢字クイズにチャレンジ!
「兄弟星」の読み方のヒントは?
1.「兄弟星」をひらがなにすると、6文字になります。
2.「兄弟星」は姫路・香川・山口・島根・広島・岡山・鳥取・静岡などの方言です。
3.西洋の「兄弟星」は、東が兄のカストル、西が弟のポルックスとされています。
正解は…
正解は「おとどいぼし」でした!
「おとどい」とは、兄弟や姉妹を意味する日本の方言です。
「兄弟星」が何を指すのかは諸説あり、ひとつは双子座、もうひとつが蠍座です。
双子座の場合はギリシャ神話における大神ゼウスの双子の子ども、カストルとポルックス。
蠍座の場合は蠍の尻尾(S字形末端)に輝いているλ星(1.6等)とυ星(2.7等)のことで、山うばに追われて天にのぼった幼い兄妹 (おとどい) になぞらえています。
「おとどい」という方言を用いる地域は幅広く、例えば山口県山口市には、兄山が標高257m、弟山が標高216mの「兄弟山」があります。
ちなみに、宮沢賢治の名作「銀河鉄道の夜」には『双子のお星さまのお宮』が出てきます。
あの作品のシチュエーションは冬の夜空ではなく夏の夜空なので、お宮は双子座ではなく蠍座の双子のお星さまなのではないか、という説もあります。
2個目の漢字はこれ!「棚機津女」
続いての問題は…
「棚機津女」です!
「たなきつじょ」とは読みません。
「棚機津女」の読み方のヒントは?
1.「棚機津女」をひらがなにすると、6文字になります。
2.民俗学や民間伝承が好きな人は「棚機津女」を知っているかもしれません。
3.「棚機津女」は棚造りの小屋にこもります。
正解は…
正解は「たなばたつめ」でした。
「棚機津女」とは、7月になると水辺に建てられた棚造りの小屋にこもり、機(はた)を織る穢れの無い女性です。
織った布は神聖なものとして、水神様に捧げられる、または神が着る衣になるといわれています。
「棚機津女」が機織りをすることで、町や村には豊穣がもたらされました。
「棚機津女」と七夕祭り
7月に機織りをする穢れの無い女性と言えば、七夕祭りの織姫が思い浮かびませんか?
時期的にもキャラクター的にも連想されますね。
「棚機津女」の伝説を七夕祭りのルーツとする説がありますが、実は賛否両論です。
民俗学者の折口信夫は「七夕祭り」と「棚機津女」を関連付けました。
しかし、現代は両者の関連は無しという説が有力です。
「棚機津女」はあくまでも日本の機織り女性の言い伝え。
「七夕祭り」は、「乞巧奠(きっこうでん/きこうでん)」や織姫と牽牛の伝説、つまり中国の行事と伝説がルーツです。
3個目の漢字はこれ!「卑奴母離」
「卑奴母離」を何と読みますか?
古代の歴史に詳しい人は読めるかもしれません。
日本人なら知っておきたい!
「卑奴母離」の読み方のヒントは?
1.「卑奴母離」をひらがなにすると、4文字になります。
2.「卑奴母離」は個人の名前ではなく、職業と立場を指す言葉です。
3.「卑奴母離」が活躍していたのは3世紀から4世紀頃。
正解は…
正解は「ひなもり」でした!
漢字の見た目より可愛らしい響きですね。
「卑奴母離」とは、日本の邪馬台国、やまと王権の国境を守備する軍事的な長(おさ)のこと。
魏志倭人伝を読むと出てきますよ。
比奈毛里、鄙守、比奈守、夷守など、「卑奴母離」以外にも多くの書き方があります。
筑前国、日向国、美濃国、越後国などには、地名や神社名に「ひなもり」という読みの漢字が使われています。
これらはすべて、邪馬台国の勢力下にあったという歴史を意味すると考えられています。
「ひなもり」と呼ぶ地名・神社の例
九州南部:夷守岳
岐阜県岐阜市:比奈守神社
宮崎県小林市:夷守神社(島岑神社に合祀)
「卑」は、低い、地位・身分・位置の低さを意味する漢字。
「奴」は、下男、僕(しもべ)、身分が低い者を意味する漢字。
「母」はご存じの通りお母さん、「離」ははなれる、わかれる、隔てることを意味します。