今回は3つの難読漢字「當たる」「美める」「熬る」です。
あなたは全部読めますか?
目次
1問目は「當たる」です!
「富(とみ)」、「誉(ほまれ)」、それとも「蛍(ほたる)」?
似ている漢字は多いのですが…なんて読むのでしょう。
「當たる」の読み方のヒントは?
3つのヒントで考えてください。
1.音読みは「トウ」です。
2.「當たる」は、漢文の「まさに〜べし」という表現に用いられます。
3.「當てる」、「當たり」、「心當たり」ともいいます。
そろそろピンときた方がいるかもしれません。
正解は…
正解は「あたる」でした!
「當」は「当」の旧漢字です。
「当たる」には、幅広い意味があります。
例:ボールが当たる・宝くじに当たる・日が当たる・フグの毒に当たる・遠い親戚に当たる・罰が当たる・失礼に当たる・商売が当たる
ちなみに「中る」ともいいますが、こちらも難読ですね。
名前はダメでも苗字や地名はOK
2024年現在、「當」は人名用漢字として認められていません。
したがって、子どもの名付けには使えませんが、苗字や地名には使われています。
苗字:當間 琉巧(ジャニーズ事務所)・當真あみ(女優)・當瀬規嗣(医学博士)
地名:大別當(新潟県)・玉城當山(沖縄県)・當麻(奈良県)
苗字や地名の場合は、「トウ」と音読みするケースが多いです。
日本一うらやましい苗字!
「當たる」のように訓読みする苗字を見つけたので紹介します。
その名も…
「大當(おおあたり)」さん!
日本一うらやましい苗字です。くじ運が良さそうですね。
2問目は「美める」です!
もちろん「びめる」ではないし、「みめる」でもありません。
「美」は、画数が9画と少ないので覚えやすく、小学校3年生が修了レベルの簡単な漢字。
でも、【美める】を読むとなると難しくなります!
「美める」の読み方のヒントは?
それでは、1つ目のヒントです。
まず、「美」がつくモノやコトを思い浮かべてみましょう。
次に、ふさわしいシチュエーションを想像してください。
その場にいたら、口に出しそうなセリフはどんな言葉?
2つ目のヒント。
「美める」のほかには、「美め言葉」、「美められる」といった使い方もします。
正解は…
正解は、「ほめる」です!
一般的には、「褒める」や「誉める」という漢字を使います。
「美」と「ほめる」のイメージは近いので、今回は正解者が多かったかもしれません。
「美い」と書いて「よい」とも読みますが、こちらもイメージが一致しますね。
ちなみに「美美しい」や「美々しい」は、そのまま素直に「びびしい」と読みます。
「美」が変化して「み」になった
「美」にまつわる豆知識を紹介しましょう。
漢字を草書体にくずすと平仮名になりますが、「美」が草書体に変化して誕生した平仮名は、「み」です!
最後は「熬る」の読み方!
一見すると「熟(じゅく)」に似ていますが…読めますか?
早速ヒントを読んで考えてみましょう。
「熬る」の読み方のヒントは?
料理を作るときに使います。
例:「豆を熬る」、「ゴマを熬る」
食材の水気がなくなるまで、しっかり「熬る」のがおいしさのポイント。
特にコーヒー豆を「熬る」と、なんともいい香りがします!
正解は…
正解は「いる」です。
「煎る」や「炒る」の方が一般的ですが、「熬る」と「煎る」の下には「灬」(れっか)、「炒る」の左側には火偏(ひへん)があります。
この3つの漢字には、火の部首が共通してるんですね!
料理以外では、古典文学の「春雨物語」に「心熬る(こころいる)」という表現が残されています。いても立ってもいられない、いらだちやあせりを表す言葉です。
「熬る」以外の使い方は?
「熬」の音読みは「ゴウ」です。
製塩技術に「煎熬(せんごう)」という用語があります。
また、四文字熟語には「焦熬投石(しょうごうとうせき)」という言葉もあります。
「焦熬」は焦がして熬ること、「投石」はそのままの意味です。焦がしたものは壊れやすいため、「ひどく壊れやすいこと」をたとえています。