今回の難読漢字クイズは…
「莫臥児」「緑鳩」「熟」
難読漢字3連発です!
目次
1個目の漢字はこれ!「莫臥児」
まずは「莫臥児」!
みなさん見たことや触ったことがあるはずですよ。
「莫臥児」の読み方のヒントは?
1.イベントの飾り物としては大定番です。
2.洋服の襟元に「莫臥児」をあしらうとクラシックな装いに。
3.莫臥児織りは日本の名物裂として有名です。
正解は…
正解は「モール」でした!
「莫臥爾」と書いても正解です。
他に回々織、毛宇留、毛織などがありますが、すべて当て字なので漢字に意味はありません。
「莫臥児」の由来はインドの旧ムガル帝国特産の金銀を織り込んだ紋様織物。
この織物は「ムガル」と呼ばれ、ポルトガル語の「モグール」と訛り、日本で「莫臥児(モール)」に変化しました。
日本に伝わったのは戦国時代から桃山時代にかけての南蛮貿易とされています。
現代では金銀の糸で刺繍をした襟や腕章の飾り模様、キラキラしたアルミ箔を組み合わせた細長い飾り、針金にカラフルな糸などを巻いた飾り、全て「莫臥児(モール)」と呼びます。
一般的には名物裂の織物「莫臥児」より、クリスマスツリーの「モール飾り」の方がなじみ深いかもしれませんね。
一説によるとツリーのモール飾りは、ヘロデ王の追跡から赤ん坊だったイエスを守った蜘蛛の巣にちなんでいるそうですよ。
2個目の漢字はこれ!「緑鳩」
次の難読漢字クイズは…
「緑鳩」です!
鳴き声に特徴がありますよ。
「緑鳩」の読み方のヒントは?
1.バードウォッチングでは大人気!
2.オリーブ色に黄色や褐色、美しい姿です。
3.季語では、三夏(5月下旬から7月上旬頃)にあたります。
正解は…
「アオバト」でした!
全長33cm前後のオリーブ色をした小ぶりの鳩です。
普段は森や林にいる野鳥なので、目にする機会は少ないかもしれません。
夏になると海へ海水を飲みに来る珍しい習性があります。
昔から日本で暮らす鳥なので、江戸時代に描かれた「百鳥図」にも載っていますよ。
緑色なので「緑鳩」を「ミドリバト」と読めば良さそうなものですが、古来日本の「アオ」は緑色も意味していたので「アオバト」と呼ばれています。
「緑鳩」の別名は?
「緑鳩(アオバト)」には多くの別名があり、その多くは「アーオーウーワー」という唸るような鳴き声に由来しています。
山鳩(ヤマバト):山に暮らす鳩だから
尺八鳩(シャクハチバト):鳴き声が和楽器の尺八に似ている
馬追鳥(ウマオイドリ):鳴き声が、馬を追うときに発生する人の声に似ている
魔王鳥(マオウドリ):鳴き声が「マーオー、マーオー」と聞こえる
ワウォウ(アイヌ語):鳴き声が「ワウォウ」と聞こえる
3個目の漢字はこれ!「熟」
「熟」は「じゅく」ですね!
それ以外の読み方を知っていますか?
早速ヒントを見てみましょう。
「熟」の読み方のヒントは?
1.「熟」をひらがなにすると4文字になります。
2.「熟々」「熟〻」と書いても正解です!
3.「熟とじっくり考えた末、僕は転職を決めた」のように使います。
4.『巨勢山の〇〇〇〇椿〇〇〇〇に見つつ偲はな巨勢の春野を』万葉集
正解は…
正解は「つらつら」でした!
「熟々」「連々」と書いても正解です。
念入りに見たり考えたりするさま。物さびしく、深く感じ、物思いに沈むさまをいいます。
「つくづく」とも読みますが、意味は同様です。
「つらつら」を誤解していませんか?
「熟(つらつら)」と同様のイメージの言葉として、「気の向くまま」「とりとめもない」「思いつくまま」「何となく」を思い浮かべませんか?
しかし、「熟考」という意味合いの表現ですから、むしろ逆なのです!
この間違いは、退屈で手持ち無沙汰な様子をあらわす「つれづれ」に響きが似ているからだと考えられています。
また、「熟(つらつら)」を「連々」と書く場合は、本来の「熟考」に滑らかさや流れるようなさまが加わります。
例:彼女は熟(つらつら)と演説を続けた。涙が頬を熟(つらつら)と流れている。