今回のお題は「舌鼓」「訝しい」「四十物」です。
どこかで見たような気もするけどなかなか難しい…
あなたには全て読むことができますか?
目次
1問目はこの漢字から!「舌鼓」
「舌鼓」は何と読むかご存知でしょうか?
「したづつみ」と読むのを時々耳にしますが、そちらは慣用読みです。
では、本来の読み方は?
「舌鼓」の読み方のヒントはこちら
- 「贅を尽くした料理に舌鼓を打つ」のように使います
- 「鼓」は和楽器の一種
- 似た言葉に「腹鼓」があります
以上の3つのヒントで考えてみてください。
「舌鼓」の読み方!正解は!?
正解は「したつづみ」です!
能や歌舞伎などに使われる日本の打楽器に「鼓(つづみ)」があります。
料理が美味しくて思わず舌を鳴らす様子を鼓の音にたとえて「舌鼓(したつづみ)」と表現した言葉ですね。
ですので「したづつみ」と読むのは、本来の読み方ではありません。
似たような言葉に「腹鼓(はらつづみ)」があります。
満腹になってお腹をポンポンと叩く様子を「腹鼓(はらつづみ)」と表現したものです。
「はらつづみ」も「はらづつみ」と読む人が多いようですね。
ちなみに、現在では「つづみ」を「づつみ」に間違える人が余りにも多いため、「したづつみ」や「はらづつみ」も慣用読みとして認められています。
ただし、本来の読み方は「舌鼓(つづみ)」なので、ぜひ正しい読み方で覚えておいてくださいね!
2問目はこの漢字!「訝しい」
「いかがわしい」?「あやしい」?「けわしい」?「うたがわしい」?
残念ながらどれも違うんです。
読み方が難しいため、普段はひらがなで表記されていることも多い文字です。
なので、聞けば「あぁ、そうか!」と思うはずですよ。
それではさっそく、考えていきましょう!
「訝しい」の読み方のヒントは・・・?
「訝しい」の読み方のヒントは、
- 読み方をひらがなで書くと、「〇〇〇しい」の3文字です。
- 「物事がはっきりしなくて気がかりな様子」を表す漢字です。
- 古文では「いふかしい」と読まれていました。
③は大ヒント!もう分かりましたよね。
「訝しい」の読み方の答えは・・・
答えは、「いぶかしい」でした!
古文では「いふかしい」と読まれていたのが、現代では濁って「いぶかしい」と読まれるようになりました。
さて、「訝しい(いぶかしい)」の意味ですが、「疑わしい」「怪しい」と同じような意味だと思っていませんか?
でも、実は違うんです。
「疑わしい」「怪しい」が、「物事がはっきりしなくて恐怖や不安、疑いをもつ」ことを表すのに対して、「訝しい」は「物事がはっきりしなくて興味がわく、好奇心を持つ」ことを意味しているんです。
これは意外ですよね!
ところが現代では、「疑わしい」や「怪しい」と同じ意味で使われることが多くなっています。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
最後はこの漢字!「四十物」
「一」と書いて「にのまえ」のように、漢数字にはどうにも不思議な読みをするものが一定数存在しているようです。
今回紹介する「四十物」もその一つ!
「しじゅう」と書きますが、まったく異なる読み方をします。
「四十物」読み方のヒントは?
「四十物」は全部でひらがな4文字!
「〇〇〇〇」と読みます。
「物」はそのまま「もの」と読むので、「四十」にあたる部分の読み方を考えることになります。
「四十物」自体には、鮮魚と乾魚とのあいだの物で、干魚などを塩で処理した海産物のことを指します。これがヒントです。
おわかりでしょうか?
「四十物」の読み方、正解は……
「四十物」の正解は……
「あいもの」です!
「四十」の部分を「あい」と読ませることには諸説由来があります。
もっとも有力なのは、当時、鮮魚と干魚のあいだのもの=「あいもの」の種類が40種類あったことから「四十物」と当てた説です。
後に「四十」の部分が「あい」だろうと解釈され、現在では「四十川(あいかわ)」や「四十谷(あいたに)」などの新しい名字も生まれたようです。
「四十物」さんは現在富山県を中心に、兵庫や石川県などにも住まわれています。