漢字読み講座

「お鳥目」「啐啄」「鳩居」全部読めたら漢字マスター!

本日の難読漢字クイズは…

「お鳥目」「啐啄」「鳩居」

全部読めたら漢字マスターです。

1個目の漢字はこれ!「お鳥目」

「お鳥目」を何と読みますか?

夕方に目が見えにくくなる「とりめ」のことではありません。

早速ヒントを見てみましょう!

「お鳥目」の読み方のヒントは?

1.「お鳥目」をひらがなにすると「お〇ょ〇〇〇」になります。

2.「お鳥目」が嫌いな人はいないと思いますよ!

3.『二百文の鳥目を戴きました。』森鴎外「高瀬舟」より引用

正解は…

正解は「おちょうもく」でした!

「お」を省いて「鳥目」だけでも正解です。

「お鳥目」は昔のお金のこと。

江戸時代までの銭貨は真ん中に穴が開いた形状が多く、それが鳥の目に似ているので「鳥目」と呼ばれるようになったそうです。

似た意味の言葉に「お足(おあし)」があります。

ちなみに、お札と硬貨は発行元が違うことはご存じでしょうか?

お札の正式名称は「紙幣」、日本銀行から発行されます。

一方、硬貨の正式名称は「貨幣」、日本政府の財務省が発行しています。

どうして2種類に分かれているかというと、お札は寿命が短いけれど、硬貨は長く使えるから!

どちらも同じお金ですが、お札は何枚でも一度に使用できるのに対し、硬貨はひとつの種類につき一度で20枚までの強制力しかありません。

つまり、21枚以上の硬貨は受け取る側が拒否できるんですね!

2個目の漢字はこれ!「啐琢」

「啐啄」を何と読みますか?

見れば見るほど、あまり馴染みのない漢字ですが…

実はとても素敵な言葉ですよ!

「啐啄」の読み方のヒントは?

1.「啐啄」をひらがなにすると3文字になります。

2.教育関係の人はピンとくるかもしれません!

3.『受授が情を異にし啐啄が機に違へば、』幸田露伴「平将門」より引用

正解は…

正解は「そったく」でした!

「啐啄」は、逃してならない好機、またとない好機を意味する言葉。

「啐啄」の「啐」は驚く、叫ぶ、呼ぶこと、「啄」はついばむことです。

卵の中の雛(ひな)が殻を内側から破ろうと鳴く声が「啐」、母鳥が殻をつつき割る音が「啄」。

雛が「もう出たいよ」とサインを出して、母鳥が「ここから出ておいで」とサインを出したときが「啐啄」なんですね!

どちらかのタイミングがズレると孵化(ふか)は上手くいきません。

「啐啄同時」

啐啄同時(そったくどうじ):師匠と弟子の呼吸がぴたりと合う禅宗の禅語

同じ意味合いで、啐啄の機(そったくのき)、啐啄同期/啐啄同機(そったくどうき)、ともいいます。

教育業界では、教師や保護者と子どもの関係に例えて用いるケースが多いでしょう。スポーツ業界ではコーチと選手の関係に用いられます。

部下の指導をする際は心がけたいですね!

3個目の漢字はこれ!「鳩居」

最後の問題です。

「鳩居」を何と読みますか?

はとい、はときょ…なかなか難しいですね。

3つのヒントから予想してみましょう!

「鳩居」の読み方のヒントは?

1.「鳩居」をひらがなにすると「〇ゅ〇〇ょ」になります。

2.鳩の性質に関係する言葉です。

3.『維鵲有巣 維鳩居之』詩経「鵲巣」より引用

正解は…

正解は「きゅうきょ」でした!

「鳩居」とは、仮住まいや借住まい、夫の家を自分の家にすること。

自分の住まいを謙遜して言うこと、または他人の成功や地位を横取りする意味でも使われます。

「鳩居」の由来は、3つ目のヒントにある詩経(中国の詩集)です。

昔の中国では女性が自力で家庭を営むことができなかったため、嫁いで夫の家をわがものにすることを例えました。

どうして「鳩」が出てくるかというと、鳩は巣作りが下手なので、鵲(カササギ)の巣に住んで卵を産む(托卵)性質があるからです。

鳩づくしの「鳩居党」

京都、東京、神奈川には書画用品・香の専門店「鳩居堂」という老舗があります。

「鳩居堂」創業者の家紋は源頼朝に賜った「向かい鳩」

「店はお客様のもの」という謙遜の意味で、1663年(寛文3年)に儒学者の「室鳩巣」が詩経にちなんで名付けたそうです。

まさに鳩づくしです!

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イシカワマキコ
イシカワマキコです。日本語の奥深さが好きです! よろしくお願いします。