今日の難解漢字は、
「月代」
「訓む」
「嘖々」
「犇犇」
「砌」
です!
どれもなんとなく読めそうな漢字ばかりですが、
なんと読むか分かりますか?
目次
1つ目の漢字は「月代」です!
「月代」って何て読むか分かりますか?
(げつだい)ではありません!
(つきしろ)とも読みますが、別の読み方があります。
さあ、一体何と読むのでしょうか?
「月代」の読み方のヒントは?
ひらがなで4文字です。
”〇〇〇〇”
「まげを結った武士が、額から頭の中央にかけて半月状に髪を剃った部分」のことです。
日本は湿気が多いため、貴族の冠や武士の兜をつけるときに頭頂部が蒸れるのを防ぐために髪を剃っていたようです。
中国にも「辮髪」(べんぱつ)といった似たような風習がありました。
何と読むか分かりましたか?
「月代」の読み方、正解は……
正解は……
「さかやき」
です!
戦国時代に武士の間で流行した髪型です。
江戸時代になると、武士の間だけではなく、庶民にも広がりました。
士農工商という身分制度のなかで、武士に憧れて髪型を真似する人が多かったようです。
江戸時代の髪を洗う頻度は月に1回~2回でした。
うどん粉・粘土・灰汁などを使っていたようです。
戦国時代は髪を剃るのではなく、抜いていたので頭が血だらけでした。
毛を剃ることが一般化したのは、江戸時代からです。
武士が髪型を維持するのも大変だったようですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
2つ目の漢字は「訓む」です!
「訓む」を何と読みますか?
訓示、訓読み、教訓…「くん」以外の読み方は、案外知られていません。
「訓む」の読み方のヒントは?
1.「訓む」をひらがなにすると2文字になります。
2.日本の漢字には音読みと訓読みがありますが…
3.『右のほか峠をヒョウまたはヒヨと訓む例はきわめて多い。』柳田国男「地名の研究」より引用
正解は…
正解は「よむ」でした!
「訓」の音読みは「クン」「キン」、訓読みは「訓む(よむ)」「訓える(おしえる)」、小学4年生で習う10画の常用漢字です。
それでは「詠む」や「読む」も同じ意味なのでしょうか?
実はちょっと違うのです。
「よむ」それぞれの違い
詠む:俳句や詩など創作して声に出すこと、または創作物を詠う(うたう)こと。
読む:文章を解釈して理解する、音読する、一般的な「よむ」全般の意味。
訓む:中国から渡ってきた漢字は音読みでした。その漢字を訓読みで人に訓えた(おしえた)ことが起源。
あくまでも「訓読み」するのが「訓む」のポイントです!
例えば「月」を音読みの「ゲツ」、「花」を「カ」と詠むことも読むこともありますが、「訓む」場合は「つき」「はな」と訓みます。
しかし…
「訓む」という言葉自体はなぜか音読みなのがややこしい!
3つ目の漢字は「嘖々」です!
「嘖々」
これ、何と読むかわかりますか?
読み方も意味も誤解されがちなこの漢字。
さあ、あなたは何と読みましたか?
「嘖々」読み方のヒント!
「嘖々」は、四字熟語の一部として使われることが多いです。
また「々」という字が使われていることからわかる通り、
同じ読みを重ねます。
ですが「せきせき」ではありませんよ!
さて、あなたは何と読みましたか?
「嘖々」の読み方、正解は…
気になる正解は…
「さくさく」
です!
「嘖々」は、
「口々に言いたてる」「盛んに褒めそやす様子」を表した言葉です!
「名声嘖々(めいせいさくさく)」「好評嘖々(こうひょうさくさく)」など
良い評判が出ていることを表した、ポジティブな言葉ですよ。
しかし、実は悪い意味として使われがちなんです。
「悪評嘖々な人物」のように使われているのを見かけますが、これは誤用です。
実は「嘖々」は舌打ちのこと。
なんでも中国では、褒めるときに舌打ちをするのだとか!
「何度も舌打ちをするくらい素晴らしい」という意味なのですが、
舌打ちのイメージから、悪い言葉に捉えられがちなのかもしれませんね。
読み方も使い方も、正しく覚えてこそ漢字マスター!
これを機にスマートに読めるようになりましょう!
4つ目の漢字は「犇犇」です!
「犇犇」と書いて、なんと読むか分かりますか?
牛が三匹集まって「犇」、「犇」がふたつ続いて「犇犇」です。
「犇めく」は(ひしめく)と読み、牛がぎゅっと集まっている様子を表せている漢字です。
さて、それでは「犇」がふたつ続いた「犇犇」はどう読むかわかりますか?
「犇犇」読み方のヒントは?
「犇犇」とは、隙間のない様子やぴったりと合わさっている様子を表せる言葉です。
いかにも(ぎゅうぎゅう)と読んでしまいそうですが、(ぎゅうぎゅう)ではありません。
まさに「犇めく」といった感じでしょうか。
さて、犇めくが二つ重なれば……?
「犇犇」読み方のもうひとつのヒントは?
ひらがなにすると「〇〇〇〇」です。
さて、もうわかりましたか?
「犇犇」の読み方、正解は・・・
正解は・・・
「ひしひし」
です!
同じ読み方の「緊緊」は、強く身に迫って来る、切実に感じるという意味があります。
「責任の重さを緊緊と感じて来た。」なんて使います。
使い分けることができれば、さらにカッコいいですね!
ぜひ、覚えておきましょう。
5つ目の漢字は「砌」です!
今回の難読漢字クイズは「砌」です。
「石」と「切」ですね!
あなたは何と読みますか?
「砌」の読み方のヒントは?
1.「砌」をひらがなにすると3文字になります。
2.筆まめな人は知っているかもしれません。
3.『あの夜逃がしてつかわす砌、もしや重罪人であってはならぬと、』佐々木三津三「旗本退屈男」より引用
正解は…
正解は「みぎり」でした!
音読みは「セイ」「サイ」、訓読みは「みぎり」です。
「砌」の語源は「水限(みぎり)」、雨の滴(しずく)が落ちる際(きわ)です。
「砌」の意味は…
①軒下や階下の石畳
➁水際、水たまり、池
③庭
④ものごとが執り行われる所、場所
⑤特定の期間や時間をあらわす「折(おり)」「頃(ころ)」
①から④は現在あまり使われない言い回しですが、⑤の意味ではよく用いられます。たとえば高貴な人物の幼少期を指して、「幼少の砌」といいます。
手紙に用いる「砌」
「砌」は、手紙の時候の挨拶にも多用されます。ただし、女性言葉なので男性が使うことはあまりありません。
早春の候:普通は「そうしゅんのこう」と読みますね。しかし、これを「そうしゅんのみぎり」と読んでも正解です。
早春の砌:「そうしゅんのみぎり」と読みます。「早春のみぎり」とひらがなにしても正解です。こちらは「そうしゅんのこう」とは読みません!
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました!