「而立」の読み方をご存じですか?
「而」は「両」という字に少し似ていますが「りょうりつ」ではありません。
それでは、何と読むのでしょうか?
「而立」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○りつ」の3文字
- 同じ読み方で「立」の字を使う熟語があります
- 年齢のことをあらわす言葉です
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「而立」の読み方、正解は・・・
正解は
「じりつ」
です!
「而立」は「三十歳」の異名です。四十歳を「不惑(ふわく)」と呼ぶのと同じ「論語」の一節から来ています。「自立」と読みが同じで、語源の意味としては通じるところもありますが、而立はあくまでも三十歳をさす言葉となっています。
ちなみにここで言う「三十歳」は数え年のことなので、実際はその人が29歳になる年の1年間になります。
論語「三十而立」
「論語」は紀元前に中国で「儒教(じゅきょう)」という思想体系を作った「孔子(こうし)」やその弟子たちの教えをまとめた書物です。「子曰く、〇〇~」という表現を見たことがある方もいらっしゃると思います。
その中で有名な一節に
「子曰、吾十有五而志于學。三十而立。四十而不惑。五十而知天命。六十而耳順。七十而從心所欲、不踰矩。」
があります。孔子が自身の生涯を語った言葉で、十五歳で学問を志し(「志学」)三十歳で学問の基礎が確立し(「而立」)四十歳で自分の学問に疑問を持たなくなり(「不惑」)五十歳で天から与えられた使命を知り(「天命」)六十歳で心に余裕ができ、反対意見を聞いても反発しなくなり(「耳順」)七十歳で意のままに行動しても規範から外れることがなくなった(「従心」)という意味になります。
これをもとに三十歳は「而立」と呼ばれているのです。
四十歳の「不惑」は有名ですが、他の年齢はどんな呼び方をしているのか、自分の年齢と照らし合わせて確認してみるのも面白いと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!