「揖譲」の読み方をご存じですか?
「揖」という字は兵庫県にある「揖保川(いぼがわ)」に使われているので「いじょう」と読みたくなりますが、間違いです。
それでは、何と読むのでしょうか?
「揖譲」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「ゆ○○○○」の5文字
- どちらも音読みです
- 「揖」は「敬礼する」「ゆずる」という意味があります
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「揖譲」の読み方、正解は・・・
正解は
「ゆうじょう」
です!
「拱手(きょうしゅ)の礼をしてへりくだること」「会釈してゆずること」という意味があります。
「友情」と同じ発音ですが、意味は大分違いますね。
「拱手」とは拳を手で包みお辞儀をする、アジアの一部地域に現在も残る伝統的な礼儀作法です。最近では台湾で感染症対策として「握手の代わりに拱手を」と呼びかけたことで話題になりました。
「へりくだる」だとちょっと良くない意味にも聞こえてしまいますが、元は「会釈してゆずること」は謙虚で温和なふるまいとして表現されていました。中国の有名な思想家、孔子の言葉として「論語」にも残されています。
「子曰、君子無所争、必也射乎、揖譲而升下、而飮、其争也君子」
「君子(人格者)は争いを好まず、せいぜい弓の腕前を競う程度である。その時も礼をもって譲り合いつつ、競技が終われば酒を飲みあう。それが君子の争いというものだ」
というような意味になります。
「論語」は二千年以上も前の書物ですが、現代にも通じる考え方が多くあります。スポーツなどで競うとき「揖譲」という言葉を思い出してフェアプレーに励んでくださいね。