漢字読み講座

「墜栗花雨」「霏々」「天蛾」難読漢字3連発に挑戦!

本日の難読漢字クイズは…

「墜栗花雨」「霏々」「天蛾」です。

難読漢字3連発に挑戦!

1個目の漢字はこれ!「墜栗花雨」

「墜栗花雨」を何と読みますか?

「ツイクリカウ」とは読みません。

早速ヒントを見てみましょう!

「墜栗花雨」の読み方のヒントは?

1.「墜栗花雨」をひらがなにすると5文字になります。

2.「墜栗花雨」は、俳句では夏の季語です。

3.「墜栗花雨」の類義語には、「菜種梅雨」「水取雨」「麦雨」などがあります。

正解は…

正解は「ツイリアメ」でした!

「墜栗花雨」は梅雨入り(つゆいり)のこと。

「墜栗花」だけでも同じ意味です。

梅雨の季節の前に栗の花が落ちることを由来とした言葉です。

そういえば梅雨入りを「入梅(にゅうばい)」とも言いますが、こちらは梅の実が熟す季節を意味しています。

どちらも雨と植物を組み合わせた美しい言葉ですね!

「墜」の音読みは「ツイ」、訓読みは「墜ちる(おちる)」、漢検3級15画の漢字です。

雨が続く期間は年に4回

俳句で夏の季語とされているように、「墜栗花」は春から夏への変わり目に雨が続くことです。

しかし他にも、雨が続く期間が3回あることをご存じでしょうか?

夏から秋の変わり目に雨が続くのは「秋雨(あきさめ)」、秋から冬は「山茶花梅雨(さざんかづゆ)」、冬から春は「菜種雨(なたねづゆ)」といいます。

2個目の漢字はこれ!「霏々」

「霏々」を何と読みますか?

露、霞、需、似ている漢字はたくさんありますが…。

天候と関係がありますよ!

「霏々」の読み方のヒントは?

1.「霏々」をひらがなにすると2文字になります。

2.「霏々として」「〇〇霏々たり」のように使います。

3.『終日霏々として降り続いている春雨の中で、』萩原朔太郎「郷愁の詩人」より引用

4.「霏々」と同じニュアンスの言葉は、「滂沱」「停滞」「雨季」などです。

正解は…

正解は「ひひ」でした!

「霏」は、雨や雪が降るさま、細かい物が飛び散るさまを意味しています。

音読みは「ヒ」、訓読みは無し、漢検1級16画の漢字です。

訓読みはありませんが、昔の日本文学には「霏々」をひらひら、ちらちらと読ませるケースが散見されます。

『桜が、早や霏々(ひらひら)と散つて、』秋田秋声「背負場」より引用

『霏々(ちらちら)と日暮から降出して来ました雪が、』三遊亭円朝「大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食」より引用

「霏」を使った熟語

霏解(ひかい):砕け散る

陰霏(いんび):くもる

林霏(りんび):林の靄(もや)のこと

煙霏雲斂(えんぴうんれん):雲が集まってくるさま

どことなく美しいイメージの漢字ですが、一見すると「罪」と見間違えそうになりますね。

3個目の漢字はこれ!「天蛾」

「天蛾」を何と読みますか?

見かけたことはあるはずですよ。

よく見ると可愛い顔をしています。

「天蛾」の読み方のヒントは?

1.「天蛾」をひらがなにすると4文字になります。

2.「天蛾」をフランス語にすると「papillon céleste」、イタリア語では「falena celeste」です。

3.『父我は言にうちあげず月の出を大き天蛾の翅降りる見る』北原白秋「白南風」

4.俳句で「天蛾」は夏の季語です。

正解は…

正解は「すずめが」でした!

「天蛾」はスズメガ科に属する蛾(ガ)すべての総称です。

「雀蛾」と書かれることが多いでしょう。

体が大きいうえにヘリコプターのようなホバリングができるため、ハチドリに間違えられることもしばしば。

非常に高速で飛ぶのも特徴で、種類によっては時速50km以上のスピードが出るそうです。

蛾は、一般的に蝶々に比べて人気がありません。

でも、「天蛾」に属する蛾たちは個性的で可愛らしく、クリッとしたつぶらが目はぬいぐるみのようでキュート!

「スズメガ・かわいい」で検索すると、「天蛾」を愛する人たちがたくさん見つかりますよ。

ちなみに、「天蛾」の成虫には毒性がなく、幼虫はいかにも危険そうな突起物がありますが実は見せかけで、やはり毒性はありません

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イシカワマキコ
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