漢字読み講座

【難読漢字】「逐鹿」「鶯梭」「鮎魚」あなたは何個読めますか?

今日の難読漢字は

「逐鹿」

「鶯梭」

「鮎魚」

の3問です!あなたは正しく読めますか?

難読漢字、1問目は「逐鹿」!

「逐鹿」の読み方をご存じですか?

「逐」は「遂」という字に似ているので「ついしか」と読みたくなってしまいますが違います。

それでは、何と読むのでしょうか?

「逐鹿」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「ち○○○」の4文字
  2. どちらの字も音読みです
  3. 「鹿」は「鹿苑寺」と同じ読み方です

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「逐鹿」の読み方、正解は・・・


正解は

「ちくろく」

です!

「逐」には「おう(追う)」という意味があり、猟師たちが一頭の鹿を狙い争うという意味ですが、その様子から「有力者が地位をめぐって争うこと」という意味で使われることが多いです。「鹿」の音読みは「ロク」で、金閣寺の別名「鹿苑寺(ろくおんじ)」で耳にすることもあるかもしれません。

「逐鹿」の由来

「逐鹿」は中国の歴史書「史記」の時代から使われている言葉で「中原逐鹿」という言葉が有名です。「中原に鹿を逐(お)う」とも言われます。

「中原(ちゅうげん)」とは古代中国の中心地とされている地名で、多くの英雄たちがこの場所で帝位を狙って争うさまを、猟師たちが鹿をめぐり争うことになぞらえた言葉です。

鹿は古代中国ではかなり特別なものとして扱われており、一説には「神の乗り物」とも言われていたともされます。鹿を仕留めたら相当な名声を得られたのかもしれませんね。

「逐鹿」の読み方、この機会に是非覚えてくださいね。

難読漢字、2問目は「鶯梭」!

「鶯梭」の読み方をご存じですか?

「鶯」はウグイスと読みますが「梭」という字は「俊」に似ていますが違う字です。

それでは、何と読むのでしょうか?

「鶯梭」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「お○○」の3文字
  2. どちらの字も音読みです
  3. 「梭」の字は「俊」とは読み方が違います

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「鶯梭」の読み方、正解は・・・


正解は

「おうさ」

です!

ウグイスが枝から枝へと飛び移っていく様子をあらわす言葉です。

「梭」は機(はた)織りで横糸を通すための道具で「ひ」と呼ばれているものをあらわしています。

鶯と機織りの道具に何の関係があるかというと、梭を素早く動かす様子が、鶯が枝から枝へと飛び移っていくさまに似ている、ということのようです。

もうひとつの意味と「雁字鶯梭」

「鶯梭」には実は「詩文などの字句をかざること」というもうひとつの意味があります。ウグイスが飛び移る様子が何故字句を飾ることにつながるのかと不思議ですね。

似た言葉に「雁字鶯梭(がんじおうさ)」という四字熟語があります。「雁字」は鳥のガンが一列に並んで飛ぶさまを文字に見立てた言葉です。これに「鶯梭」をつけると「文字(漢詩文)の字句を修飾する」という意味になります。ウグイスがガンの群れの周りをちょこまか動き回っているところを、文字を修飾することになぞらえるというのは風流ですね。

「鶯梭」の読み方、この機会に是非覚えてくださいね。

難読漢字、3問目は「鮎魚」!

「鮎魚」の読み方をご存じですか?

「鮎」は魚のアユのことなので「あゆぎょ」と読みたくなりますが間違いです。

それでは、何と読むのでしょうか?

「鮎魚」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「で○○」の4文字
  2. どちらの字も音読みです
  3. 中国ではアユではない魚をあらわす言葉です

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「鮎魚」の読み方、正解は・・・


正解は

「でんぎょ」

です!

「鮎」の音読みは「デン(またはネン)」です。「鮎」は魚のアユのことかと思いますが、実は「ナマズ」のことをあらわす言葉なのです!

ナマズには「鯰」という漢字がありますが、これは日本でナマズをあらわすために作った「国字(中国以外の国で作られた独自の漢字)」と言われており、中国では「鮎」がナマズなのです。

何故ナマズがアユに?

アユは古事記や日本書紀の時代には「年魚」と表記されており、中国では「香魚」と呼ばれています。ナマズとはまったく似ていないのに、何故同じ漢字が使われているのでしょうか。

アユを占いに使ったという故事があり、そこから「鮎=ナマズ」が中国から輸入される前に独自に「鮎=アユ」という言葉を作っていたのではないか、という説があります。偶然被ってしまったので元々使っていた意味を優先し、ナマズには新しく「鯰」という文字を作ったのではないか、ということです。ただ、室町時代に描かれた「瓢鮎図」という水墨画があり、こちらはひょうたんとナマズが描かれているので、諸説のうちのひとつと考えた方がいいかもしれません。

「鮎魚」の読み方を意味と一緒に是非覚えてくださいね。
さて、難読漢字3問、いかがでしたか?

今回は動物や魚をあらわす文字が使われる難読漢字を出題しました。ただ名前をあらわしているのではなく、意外な意味を持つ言葉もあったと思います。

全問正解できた方も、今回はあまり正解できなかった方も、また難読漢字にチャレンジしてみてくださいね。

ABOUT ME
さとう みえ
漢字が好きで、学生時代に漢字検定2級を取得するも、社会に出てから特に書き取りが怪しくなっていることに気付きました。子供の宿題に付き合いつつ自分も勉強し直す日々です。IT×子育てのサイトを運営しています。