漢字読み講座

【今日の難読漢字】「沖積世」「泰斗」「碍げる」あなたは何個読めますか?

今日の難読漢字は

「沖積世」

「泰斗」

「碍げる」

の3問です!あなたは正しく読めますか?

難読漢字、1問目は「沖積世」!

「沖積世」の読み方をご存じですか?

「沖」は「沖縄」などで使う漢字ですが、この場合「おき」とは読みません。

いったい何と読むのでしょうか?

「沖積世」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「○○せきせい」の7文字
  2. 音読みです
  3. 主に地理の教科書で使われていた言葉です

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「沖積世」の読み方、正解は・・・


正解は

「ちゅうせきせい」

です!

「沖」は岸から離れたところを意味しており、「積」は積み重ねるという意味があります。「世」はここでは「時代」を意味する漢字です。

「沖積世」は、地質によって時代をあらわす「地質時代区分」の一種で、山地の土が河川によって下流に流され、河口から沖合にかけて積み重なって地形を作っていった時代のことをさしています。具体的には約1万年前から現代のことであり、人類が特に発展した時代になります。この時代に形成した地形は多くが平野であり、農耕に適していたため多くの文明が「沖積平野」で発祥したと言われています。

「沖積世」から「完新世」へ。何故?

「沖積世」の意味について説明しましたが、実は現在、この言葉は使われなくなりつつあり、代わりに「完新世(かんしんせい)」という言葉が使われるようになりました。何故でしょうか。

元々、地質の年代を区分する方法は大きく分けて2つあり、それぞれ「化石」と「堆積物」から区分していました。「沖積世」は堆積物から区分する言い方ですが、国際的な規定では化石によって区分しているため、徐々に「完新世」を使うようになっていったと言われています。元々ほぼ同じ意味で使われていた言葉なので、片方が廃れてしまうのは残念ですが仕方のないことなのかもしれません。

今はあまり使われていない言葉ですが、「沖積世」の読み方を是非覚えておいてくださいね。

難読漢字、2問目は「泰斗」!

「泰斗」の読み方をご存じですか?

人名で見かけることがありますが、実は意外な意味を持つ言葉なのです。

いったい何と読むのでしょうか?

「泰斗」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「○○と」の3文字
  2. 音読みです
  3. 「泰山北斗」という言葉の略称です

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「泰斗」の読み方、正解は・・・


正解は

「たいと」

です!

ヒントに書いた通り「泰山北斗(たいざんほくと)」の略称です。

「泰山」は中国にある山の名前で、古代より信仰の対象となっており、この山で皇帝が儀式を行ったと言われています。日本で言う富士山のような存在だったようです。

「北斗」は北斗七星のことで、古代より方角の指標となっていた北極星を含むことから特別な星と言われていました。

山は泰山、星は北斗。転じてあるひとつの道でもっとも高く仰ぎ尊ばれる人、つまりある分野における権威を持つ人のことを「泰山北斗」「泰斗」と呼ぶようになったそうです。

「泰山北斗」の由来

もう少し「泰山北斗」の由来を調べてみましょう。

中国の歴史書「新唐書」韓愈伝賛の記述が最初だと言われています。

自愈没、其言大行、学者仰之如泰山北斗云。

(韓愈が亡くなってから、その学はますます盛んとなり、学者たちは「泰山」や「北斗」を仰ぐように韓愈を尊敬した)

韓愈(かんゆ)は中国唐代中期を代表する文人と言われており、没後にも大いに尊敬されたという逸話です。

韓愈のように何かを極め、第一人者となるという気持ちのこもった「泰斗」という言葉は人名の他、会社名としてもよく使われています。是非読み方と意味を覚えておいてくださいね。

難読漢字、3問目は「碍げる」!

「碍げる」の読み方をご存じですか?

「碍」という漢字は「碑」という漢字に少し似ていますが、違う漢字です。

いったい何と読むのでしょうか?

「碍げる」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「○またげる」の5文字
  2. 訓読みです
  3. 「妨碍」という言葉があります

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「碍げる」の読み方、正解は・・・


正解は

「さまたげる」

です!

常用漢字では「妨」という漢字を使う「妨げる」と同じで「物事の進行や遂行に支障が起こるようにする」という意味があります。

「碍」と「害」「妨」の違い

「碍」という漢字は常用漢字ではないため、代わりに「害」が使われることが多いです。「妨害」という言葉も元々は「妨碍」という字で「ぼうがい」または「ぼうげ」と読まれていたそうです。「妨害」には「ぼうげ」という読み方はありませんので、確実に「ぼうがい」と読ませたい場合に「害」の漢字を使用するようになったようです。

「碍」という字には「さまたげる」の他に「ささえる(支える)」という意味もあります。「碍子」は「がいし」と読み、電線を支える器具のことをさしています。このような使い方は「害」や「妨」にはありません。漢字が代わりに使われているからといって、まったく同じ意味ではないことには注意したいですね。

あまり見かけることはないかもしれませんが「碍げる」の読み方を是非覚えておいてくださいね。

 

さて、難読漢字3問、いかがでしたか?
今回は昔よく使われていた漢字や故事成語から問題を出してみました。

全問正解できた方も、今回はあまり正解できなかった方も、また難読漢字にチャレンジしてみてくださいね。

ABOUT ME
さとう みえ
漢字が好きで、学生時代に漢字検定2級を取得するも、社会に出てから特に書き取りが怪しくなっていることに気付きました。子供の宿題に付き合いつつ自分も勉強し直す日々です。IT×子育てのサイトを運営しています。