今回のお題は「零れる」「土器」「堆朱」です。
どこかで見たような気もするけどなかなか難しい…
あなたには全て読むことができますか?
目次
1問目はこの漢字から!「零れる」
「零れる」って何て読むかわかりますか?
(れいれる)ではありません!
「零」は(れい)と読んだり、(ぜろ)と読んだりしますが、今回の読み方はどちらでもありません!
さて、一体何と読むのでしょうか?
「零れる」の読み方のヒントは?
「物質がある場所から別の場所へ移動することで、その場所から外に出てしまうこと」という意味があります。
液体や粉末など、流動性のあるものに対して使われることが多いです。
液体の場合は、容器のふちから流れ落ちたり、注ぎ口から容器に移すときにうまく入らなかったりする状態を表しています。
粉末の場合は、風などに吹かれて散らばっていく様を表現している漢字です。
さあ、何と読むか分かりましたか?
「零れる」の読み方、正解は……
正解は……
「こぼれる」
です。
「零れる」(こぼれる)と「溢れる」(あふれる)は似たような表現ですが、微妙に意味が違います。
「零れる」は少しずつ漏れ落ちるイメージですが「溢れる」は一気に出てくる様子です。
「涙が零れる」という場合は、涙が一粒、二粒ポロポロ落ちてくる様子が目に浮かびます。
しかし「涙が溢れる」というときは、涙が勢いよくダーッと流れてくるという状況を想像してしまいますね。
うまく使い分けることが大切です!
最後までお読みいただきありがとうございました。
2問目はこの漢字!「土器」
「土器」って何て読むかわかりますか?
簡単、簡単!
(どき)です!
大正解!
と言いたいところですが、そんなに易しい問題ではありません。
もう一つの読み方を答えていただきたいと思います。
神社や神事にゆかりがある人は知っているかもしれません。
さあ、一体何と読むのでしょうか?
「土器」の読み方のヒントは?
- ひらがなで4文字です。「〇〇〇〇」
- うわぐすりをかけていない素焼きの陶器を指します。
- 神社などでお神酒を頂くときに使うものです。
さあ、何と読むか分かりましたか?
「土器」の読み方、正解は……
正解は……
「かわらけ」
です。
神前挙式に参加したことのある人は、巫女さんにお神酒を振舞ってもらったことはありませんか?
そのときに注いでもらう器が「かわらけ」です。
お神酒を参加者全員に振る舞い、祝杯をあげます。
日本では契りを結ぶときはお酒を酌み交わしてきました。
神前挙式では、新郎新婦がお酒を酌み交わし、夫婦の契りを結びます。
俗に言う、三々九度です。
三々九度は室町時代の武家の礼法に由来していると言われています。
時代とともに、庶民にも広がり婚礼の儀として行われるようになりました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
最後はこの漢字!「堆朱」
「堆朱」の読み方をご存じですか?
「朱」は「朱肉」などで比較的よく見かける漢字ですが、「堆」は「堆肥」くらいでしか見かけることがありません。
いったい何と読むのでしょうか?
「堆朱」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○○しゅ」の4文字
- 音読みです
- 漆工芸に関係があります
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「堆朱」の読み方、正解は・・・
正解は
「ついしゅ」
です!
「堆」は「積み上げる」という意味があります。「朱」は「黄色みをおびた赤色」のことです。
ヒントで「漆工芸と関係がある」と書きましたが、「堆朱」という文字自体には漆という意味はありません。
「堆朱」は「赤い(朱)漆を塗り重ね(堆)、山水や花鳥などを彫る」という技法のことをあらわしています。ちなみに日本では、表面が黒の場合は「堆黒(ついこく)」と呼びます。
堆朱楊成
日本には堆朱の技法を伝え続けた家系があり、その家系は「堆朱楊成(ついしゅようぜい)」と言われています。その歴史はなんと1360年から始まり、昭和時代の後半、21代まで続きました。堆朱陽成の作品は美術館に展示されたり、高額で取引されたりする貴重なものとなっています。
漆工芸を見かけることがあったら是非「堆朱」という言葉や読み方を思い出してくださいね。
出典:コトバンク