漢字読み講座

「訝る」「糾える」「略略」これら3つの難読漢字が読めたら漢字マスター!

今回の難読漢字は「訝る」「糾える」「略略」です。

読めそうでなかなか読めないこれらの漢字。

あなたは全部読むことができますますか?

1問目はこの漢字から!「訝る」

「訝る」の読み方をご存じでしょうか?

「牙(きば)」という字が使われていますが、「きばる」と読むのはもちろん間違いです。

「訝」という漢字には「疑う」という意味があるようですが…

さて、あなたには正しい読み方がわかりますか?

「訝る」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「〇〇〇る」の4文字
  2. 怪しく思うことです
  3. 「彼が何を言っても訝った目で見られる」などと使います

以上の3つのヒントから考えてみてくださいね。

「訝る」の読み方!正解は!?

正解は「いぶかる」です。

「訝(いぶか)る」とは、ヒントで示したように怪しく思ったり疑ったりすることをいいます。

また、物事がはっきりせず、気がかりに思う場合に使われることも。

下は「訝る」を使った例文です。

  • 人混みをかき分けて走る彼を人々が訝し気に見ていた
  • 彼女が会議に欠席した理由を訝しんでいる
  • 目標の達成を訝んでいるのは私だけではないだろう

「訝る」は、聞いたことはあっても日常会話では余り馴染みのない言葉かもしれません。

「訝る」の読み方や意味をこの機会に覚えておいてくださいね。

2問目はこの漢字!「糾える」

「糾える」の読み方をご存じですか?

「糾」という字は「糾弾」「紛糾」のように何か悪い方向にこじれたイメージがありますが、悪い意味を持っているわけではありません。

いったい何と読むのでしょうか?

「糾える」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「あ○○える」の5文字
  2. 訓読みです
  3. 故事成語で使われる言葉です

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「糾える」の読み方、正解は・・・


正解は

「あざなえる」

です!

「糾」という漢字は「あわせる」「もつれる」「ただす」という意味があり「糾える」という場合は「あわせる」という意味で使われます。

(糸や縄を)より合わせる、という意味になります。

「禍福は糾える縄の如し」

「糾える」という使い方で一番見かけるのは、故事成語の

「禍福は糾える縄の如し」

でしょう。

「禍福(かふく)」とは「災難と幸福」「不運と幸運」というように、それぞれの字が逆の意味を持つ熟語です。

「幸福と不幸は、より合わせた1本の縄の表裏のように交互に来るものである」という意味があります。主に悪いことが起こった人に、悪いことばかり起こることはない、と励ます時に使います。一方、目先のことに一喜一憂しても仕方ない、という意味でもあります。

何か良くないことが起こった時は「糾える」の読み方を思い出しつつ、悲観的にならないようにしたいものですね。

最後はこの漢字!「略略」

「略略」の読み方をご存じですか?

「略」は「省略」「戦略」などで見かける漢字ですが、そのまま「りゃくりゃく」と読むと間違いです。

それでは、いったい何と読むのでしょうか?

「略略」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「ほ○○○」の4文字
  2. 訓読みです
  3. 「巡礼」「行脚」と同じような意味です

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「略略」の読み方、正解は・・・


正解は

「ほぼほぼ」

です!

「略」という漢字には「たくらむ(策略など)」「うばいとる(略奪など)」「はぶく(省略など)」という意味の他に「だいたい、おおよそ」という意味があり、「略略」は「ほぼ」を重ねて強調した使い方になります。

「略略」は新しい言葉

「略略」という言葉は昔からあったわけではなく、「新しい使い方」として世間に認識されつつある、という状態です。「ほぼ」は以前から使われていましたが「ほぼほぼ」という使い方は一般的ではなかったということですね。

1940年代には使われた形跡はあったようですが、一般に使われるようになったのは2010年代と言われています。2016年に『三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2016」』の大賞を受賞しており、よく使われるようになった言葉と認識されるようになりました。ただ、年配の方には馴染みのない言葉であるため、使い方には気を付けた方がいいかもしれません。

言葉は生き物で、時間をかけて変わっていくものだということを思い出しつつ「略略」の読み方を覚えておいてくださいね。
出典:コトバンク

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ライターの眠兎(みんと)と申します。 ひょんな思い付きから漢字検定2級を取得し、それ以来漢字の魅力に取りつかれてしまいました。 まだまだ知らない漢字がたくさんある私ですが、記事を書きながら楽しく勉強していきたいと思っています!