漢字読み講座

「某」「神祇」「繻子」これら3つの難読漢字が読めたら漢字マスター!

今回の難読漢字は「某」「神祇」「繻子」です。

読めそうでなかなか読めないこれらの漢字。

あなたは全部読むことができますますか?

1問目はこの漢字から!「某」

「某」を何と読みますか?

雑誌や小説で目にすることが多い漢字ですね。

早速ヒントを見てみましょう!

「某」の読み方のヒントは?

1.「某」をひらがなにすると、4文字になります。

2.人気の漫画「文豪ストレイドッグス」の読者は知っているかもしれません。

3.『または同宗の月巣と呼ぶ者でござります』吉川英治「剣難女難」より引用

正解は…

正解は「それがし」でした!

人気の漫画「文豪ストレイドッグス」の登場人物である芥川龍之介の一人称は「僕」という意味の「やつがれ」です。

自分をやつがれと称する場合、相手を指す際には「某(それがし)」を用います。

ちなみに、時代と共に「某」は相手を指すだけでなく、やつがれのように自分自身を指す言葉としても用いられるようになりました。

とにかく「それがし」と「やつがれ」は、非常にややこしい関係であることは確か。

「某」の音読みは「ボウ・メ・バイ・ム・モ・マイ」、訓読みは「それがし」「なにがし」、漢検3級9画の漢字です。

「なにがし」とは?

「某」をなにがしと読む場合は「何某」と書いても正解!

なにがしの意味は、主に不明瞭な物事や人を示す指示語となります。

今の言葉なら、どこそこ、誰それ、のようなイメージです。

2問目はこの漢字!「神祇」

「神祇」の読み方をご存じですか?

「祇」という字は「祇園」という地名が全国各地にありますが、逆に地名以外であまり見かけない字です。

いったい何と読むのでしょうか?

「神祇」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「○○ぎ」の3文字
  2. 音読みです
  3. 日本古来の宗教に関わる言葉です

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「神祇」の読み方、正解は・・・


正解は

「じんぎ」

です!

「祇」という字は「土地のかみ(神)」という意味があります。訓読みは「くにつかみ」になります。

一方「神」は「天のかみ(神)」という意味があり、天の神(あまつかみ)に対する地の神を「祇(くにつかみ)」と言います。文字の意味通り「天地の神々」をあらわす言葉です。

「神祇信仰」

日本には多くの宗教がありますが、その中でも外来宗教(儒教、道教、仏教など)の影響を受ける前に存在していた宗教を「古神道(こしんとう)」と言います。古神道は「神祇信仰」とも言われます。大嘗祭、鎮魂祭など、今でも行われている行事には古神道由来と言われているものがあり、かつては神事を執り行う官司は「神祇官(じんぎかん)」と呼ばれていたようです。

日本文化とは切っても切り離せない「神祇」の読み方を是非覚えておいてくださいね。

最後はこの漢字!「繻子」

「繻子」を何と読みますか?

さらさら、しっとり、かろやか…

早速ヒントを見てみましょう!

「繻子」の読み方のヒントは?

1.「繻子」をひらがなにすると、〇ゅ〇になります。

2.黒い「繻子」は、着物の帯によく使われます。

3.『義父が支那人の繻子売りなんかと、』林芙美子「清貧の書」より引用

4.『秋晴や繻子の襟かけ雄島海女』前田普羅

正解は…

正解は「しゅす」でした!「朱子」と書いても正解です。

「繻子」とは、経糸と緯糸が交差する点が少ない「朱子織(しゅすおり)」という織り方で作られた生地。

しなやかで光沢があり、あまり丈夫ではありませんが和装洋装ともにフォーマルウェアに用いられることが多いです。

織物には三原組織(基本となる3つの組織)があり、ひとつが平織り、もうひとつが綾織り、そして朱子織となります。

「繻子」はサテンとも呼ばれますが、厳密には同義ではなく、サテンとはシルクの糸で繻子織をした生地を指します。

サテンだけでなく、コットンやポリエステル、ウールも「朱子織」できますよ!

「繻子」の音読みは「シュ・ジュ・ニュ」、訓読みは「うすぎぬ」、漢検1級、20画の漢字です。

「繻」という漢字には、「絹織物のいろどりうすぎぬ」という意味もあります。
出典:コトバンク

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ライターの眠兎(みんと)と申します。 ひょんな思い付きから漢字検定2級を取得し、それ以来漢字の魅力に取りつかれてしまいました。 まだまだ知らない漢字がたくさんある私ですが、記事を書きながら楽しく勉強していきたいと思っています!