「子どものレジリエンス教育方法ってある?」
「子どものレジリエンスを高めてあげたい!」
「教育で使えるレジリエンスの鍛え方があれば教えて欲しい。」
この記事を読まれているあなたはこんな風にお悩みかもしれません。
そこで本記事では、子供のレジリエンスを高める教育方法を6つ紹介します。ぜひ参考にしてください!
目次
子どものレジリエンスを高める教育方法6つ
- 誰かと比較せず、褒める
- 結果ではなくプロセスを褒める
- 小さな目標達成を繰り返す
- 家族の絆を伝える
- 適度に助け、適度に自立させる
- 捉え方をサポートする
子どものレジリエンスを高める教育方法は主に上記6つになります。
それぞれどのようなものか、下記で詳しく説明していきましょう。
子どものレジリエンスを高める教育①:誰かと比較せず、褒める
子どもを褒めるときは、他の誰かと比較せずその子自信を褒めてあげましょう。
他の子と比較する癖がつくと、劣等感を感じやすくなってしまうからです。
例えば「○○ちゃんより上手にピアノが弾けたね」と褒められると一時的に満足感は得られるかと思います。
ただ、自分よりピアノが上手な子を見つけたらその子と比較して自分を蔑んでしまいますよね。
劣等感は自己効力感を弱めるレジリエンスの敵。
ですので、比較する場合は過去のお子様と比較してあげましょう。
「前はできなかったピアノの曲を、上手に演奏できるようになったね!」等。
そうすることで他人との比較癖が無くなり、お子さまはレジリエンスの高い状態でいられるようになりますよ。
子どものレジリエンスを高める教育②:能力や結果ではなく、プロセスを褒める
子どもを褒める際には、結果ではなく過程を褒めるようにしましょう。
失敗しても折れないしなやかな心を育むためです。
例えば、1998年のコロンビア大学で以下のような研究結果があります。
調査対象:10~12歳の400名
- 400名に同じ内容の簡単に解ける試験を受けさせる。
- テスト終了後、下記条件に従って400名をA、B、Cグループに分け、声をかける。
A:「頭がいいね」と能力を褒める
B:何も声をかけない
C:「頑張って問題を解いたね」と過程を褒める
- 各グループの子どもたちに、「難しいけどやりがいのある問題」と「1回目と難易度が同じ問題」を選ばせる。
- 「難しいけどやりがいのある問題」を選んだのはAが35%、Bが55%、Cが90%となった。
- その後、難しい試験を全グループの子どもに受けさせた結果、Aの子どもたちはくじける傾向が高く見られた。
上記の研究から、能力や結果を褒めると「失敗しないようにしよう」という感情が生まれていることが分かるかと思います。
また、失敗した際やネガティブ感情に陥った際にうまく対処できなくなっていますよね。
一方で努力のプロセスを褒められると、「もっと挑戦しよう」と高いレジリエンスを持てるようになることが分かります。
教育においても同じで、子どもが何かを達成したり成功したりしたら、その結果やその子自身の能力を褒めるのではなく、過程を褒めるようにしましょう。
子どものレジリエンスを高める教育③:小さな目標達成を繰り返す
子どもレジリエンスを高めるためには、日々小さな成功体験を味わわせてあげると良いですよ。
成功体験は、子どもの自己効力感を高めるからです。
例えば「今日はおもちゃを1個片付けよう!」など、とても小さな目標からで構いません。
それも難しい場合、「おもちゃを触ってみよう」「おもちゃを持ち上げてみよう」「おもちゃをおもちゃ箱の前まで運ぶ」「おもちゃをおもちゃ箱の中に入れる」など、目標をさらに小さく区切ってあげてください。
目標が達成できたら、目標達成までのプロセスを認め、褒めてあげることで目標達成を実感させてあげましょう。
こういった日々の成功体験が子供の自己効力感を高め、レジリエンスの力も高めます。
子どものレジリエンスを高める教育④:家族の絆を伝える
子どもレジリエンスを高めるために、家族というソーシャル・サポートがあることを日々感じさせてあげましょう。
ソーシャル・サポートがあることを知っていれば、辛いときや落ち込んだ時、周囲に頼れる力がつくからです。
具体的には幼少期からたくさん写真を撮ってアルバムにするなどが効果的です。
実際に、2018年のナカバヤシ株式会社の調査では、
「写真・アルバムとの関わりの経験が多い学生ほど、「自立性,協調性」といった点での自己形成が強く現れるようになる」
といった結果が発表されました。
同時に、この結果から、「子供の成長に関して、『写真・アルバムと関わることは子どもの成長にとって、自己効力感(自身に対する信頼感や有能意識)が高く、他者との関わりに長けた人格形成に良い影響を与えるといえる』」といった考察も発表されました。
自己効力感はレジリエンスを高めるのに重要な要素です。
子どものレジリエンスを高めるためには「いつもお母さんがいるよ」等言葉で伝えるのをはじめとし、写真やアルバム作成をするなど積極的に行いましょう。
参考:https://www.nakabayashi.co.jp/news/2018/release/522
子どものレジリエンスを高める教育⑤:適度に助け、適度に自立させる
子どものレジリエンスを鍛えるためには、過保護になりすぎないようにしましょう。
過保護は、子どもの成功体験や達成経験を減らす原因になってしまうからです。
また、自らで何かを決断する機会も奪っています。
2014年8月号の「児童心理」によると、子供のレジリエンスは多様な経験を持つことで育まれます。
ですので、適度な援助はしつつ、子ども自身が自らで決断し、自ら行動する機会をたくさん設けてあげてください。
子どものレジリエンスを高める教育⑥:捉え方をサポートする
「子供がネガティブ感情に陥っていたら、別の見方を提示して捉え方を変えてあげる」、これが子供のレジリエンス向上に繋がります。
捉え方を変えてあげることで、レジリエンスの第一段階である「底打ち」にいち早くたどり着けるからです。
具体的には、下記の通り。
- 出来事:宿題が多い
- 思 考:先生が意地悪でわざと多くしてる
- 感 情:ムカつく!
- 行 動:先生の悪口や文句を言う
この、子どもの“思考”の部分に対して捉え方のサポートをしてあげます。
下記のような形です。
- 出 来 事:宿題が多い
- 思 考:先生が意地悪でわざと多くしてる
- サポート:前向きにとらえると、成長できるチャンスだよ!orそんなことないよ。クラス行事も手伝ってくれてたし、みんなのこと好きなはずだよ
- 感 情:宿題が多いのはチャンスだor宿題が多いのは仕方がない
- 行 動:宿題に取り組む
親のサポートで捉え方を変える癖がつくと、子どもは自らネガティブ感情を抜け出してレジリエンスを高められるようになります。
子どものレジリエンスを高める教育方法についてまとめ
- 誰かと比較せず、褒める
- 結果ではなくプロセスを褒める
- 小さな目標達成を繰り返す
- 家族の絆を伝える
- 適度に助け、適度に自立させる
- 捉え方をサポートする
子どものレジリエンスを高める教育方法についてまとめると上記のようになりました。
今回紹介した調査をはじめ、様々な研究から親の関わり方が子どものレジリエンスに影響することが分かっています。
強くしなやかな心を育てるために、ぜひ本記事で紹介した内容を活用してみてください。
この記事が、子どものレジリエンスを高める教育方法を知りたい方の参考になれば幸いです。