睡眠が心身の健康に大きな影響をもたらすことは、多くの方が知っている事実です。でも眠りの質が人の幸福度も左右するという事実は、あまり知られていないのではないでしょうか。そこで今回は、なぜ眠りの質が幸福度を左右するのかということについてみていきましょう。
眠りの質が幸福度を左右する?
ここ最近さまざまな研究や調査から、睡眠の質が幸福度を左右するのでは?と考えられているそうです。
例えばイギリスで行われた幸福度に関する調査によると、幸福度を最も高めた要素が十分な休息や睡眠にあることがわかりました。なお収入の上昇など他の要素では、幸福度はそれほどアップしなかったそうです。
また同じイギリスの研究では、睡眠をしっかりとっている人の方が目標を達成させられる確率が高いという結果を得られたといいます。これは睡眠をしっかり取ることで、意志を強く持つことができるからだと考えられているそう。常に目標を達成することができれば、自己肯定感が上がり幸福度は高まりそうですね。
アメリカではビジネスエグゼクティブの間で、睡眠を重視することがもてはやされています。ハフィントンポストの創設者であるアリアナ・ハフィントンさんも、「十分な睡眠をとることで、成功と幸福感のどちらも手に入れることができる」と語っています。
ではなぜ眠りの質は幸福度を左右するのでしょうか?
眠りの質が下がるとゼロサム信念に陥りがちに
「ゼロサム信念」という言葉をご存知でしょうか?ゼロサム信念とは、誰かが幸せになると自分の幸せが減ってしまったように感じることをいいます。
このゼロサム信念が睡眠に左右されることが、国立ソウル大学の研究で明らかとなったのです。この研究では239人の学生の性格や経済状況、睡眠習慣、幸福感を調べ、4週間後に幸福感やゼロサム信念がどう変化し、それが睡眠習慣とどう関わっているかを調査しました。
その結果、睡眠の質が低下することによりゼロサム信念が高まることが判明したといいます。その理由は、睡眠の質が低下すると自分と他の人を比べがちになり、他人に対して敵対心を持つことが増えるためだとされています。
この研究結果から、睡眠を十分にとりゼロサム信念が減ることで幸福感を感じやすくなると考えられますね。
睡眠の質を向上させる「マインドフルネス呼吸」
では睡眠の質を向上させるには、どうすれば良いのでしょうか。様々な方法がありますが、ここではどこでも簡単に取り入れられる「マインドフルネス呼吸」をご紹介しましょう。
マインドフルネス呼吸とは簡単にいうと、鼻で息を吸い、その倍の長さで口から息を吐く呼吸法のことを言います。腹式呼吸を意識し、余計なことを考えず呼吸のみに集中するのがコツです。
この呼吸法を取り入れることで、交感神経の緊張が和らぎ、眠りの質が向上するとされています。夜寝る前にぜひ試してみてくださいね。
睡眠の質を向上して幸福感もアップ!
睡眠の質が低下することでゼロサム信念に陥りがちになり、そのことが幸福度の低下につながります。「最近あまり幸福感がない」という方は、まずは眠りの質を改善してみてはいかがでしょうか。眠りの質を改善させる方法は様々ですが、その中でもマインドフルネス呼吸ならいつでもどこでも取り入れられるので、気軽に試せそうですね。