段々と寒くなってきて、湯冷めをしたり布団に入っても足先が冷たく感じる方も増えてきた季節。夏場と違って適当に入浴時間を過ごすと、かえって身体を冷やして風邪をひきかねません。今回は入浴方法の基礎を、冬場を意識しておさらいしてみましょう。
冬のお風呂は熱い方がいい?
寒い季節だからこそ、熱いお風呂を用意して一気に身体を温めたいと考えるのは自然な事。2018年にネットリサーチのDIMSDRIVEが実施したアンケートでは下記のような回答が出ています。
約4,000人の回答に対して、春・夏に比べて秋・冬に41度以上のお風呂に浸かる人は大半を占めるようです。しかし入浴剤メーカーの方の調べでは、身体の芯から温まるのは38~40度程度のぬるま湯に10~15分浸かる事が適している、という調査結果が出ているのです。
熱いお風呂の方が一時的に身体は温まりますが、実は身体の表面だけ。ぬるま湯に長時間浸かる事で、温まった血液が体中を循環し、お風呂を出た後も長時間体温を保つことが出来るのです。
就寝前の入浴は1~2時間前がお勧めとされており、ぬるま湯でしっかり芯から温まる事で底冷えする事なくお布団に入る事が出来るでしょう。熱いお風呂にしてしまうと、交感神経が刺激されてしまい逆に眠気が発散されてしまうので要注意です!
ゆず風呂ってなんの意味があるの?
ゆず風呂の起源
冬至に行われる習慣の1つがお風呂に柚子を入れる「ゆず風呂」。子供のころは特別感があって好きでしたが、実際なぜやるのか・なんの効果があるのかわかっている人は少ないはず。
ゆず湯は、本来は厄払いの禊(みそぎ)だったとされています。
冬至は、これから日照時間が増える日ですので、太陽からの運を呼び込む前の厄払いとして身体を清めていたようです。
また、古くから「“冬至=湯治”に“柚子=融通(が利く)”」、「ゆず湯に入ると一年中風邪をひかない」という言い伝えもあるほど、健康に良いとされています。
※箱根小涌園ユネッサンよりhttps://www.yunessun.com/blog/665c05e21080a1e.html
上記の通り、元々は願掛けのように使われていた柚子ですが、後年学術的に効果がある事も実証されています。
ゆず風呂の効果
そのまま入れても良いのですが、しっかりと果汁を出すのであれば半分程度にカットして布巾で包んだり洗濯ネットに入れてお風呂に沈めましょう。種や実が詰まる事を防げます。
柚子には「リモネン」「シトラール」という香り成分が含まれており、これらは香りによるリラックス・リフレッシュ効果に加えて、発汗作用や細菌の感染予防効果もあると言われています。風邪をひきやすい冬にピッタリの、自然の入浴剤と言えるでしょう。
脱衣場にも要注意。ヒートショックを防ごう
お風呂を適温にする事ばかり気を付けていても、脱衣場や廊下が冷えていて服を脱いだら身体が更に冷えてしまうことは多々あります。慌てて熱いお風呂に入ってしまい、急激な体温変化・血圧変化で起きる健康被害が「ヒートショック」と呼ばれる現象です。
厚生労働省・人口動態統計および消費者庁分析によると、年間で1万9千人も亡くなっているとさえ言われるヒートショック。以前、詳しく紹介した記事を執筆しておりますので併せてご確認頂ければ被害を防ぎつつ、身体を温める適した入浴方法がよく分かると思います。
参考記事:冬場に油断大敵!お風呂場・脱衣場を温めてヒートショックを回避しよう!
まとめ
「お風呂なんてお湯を張って入るだけ」と考える方は少なくないと思います。しかし、丁寧に準備・対応をしないとリフレッシュどころか、身体を冷やしたり健康被害にも繋がりかねない事実もご理解頂けたかと思います。
感染症対策を含め、体調の変化には敏感な昨今。一日の終わりにしっかりと身体を温めて、健康な日々をお過ごしください!