今日の難読漢字は
「逼塞」
「穎脱」
「苧殻」
の3問です!あなたは正しく読めますか?
目次
難読漢字、1問目は「逼塞」!
「逼塞」の読み方をご存じですか?
「逼」は「逼迫」という言葉で見かける字です。「逼迫」にはなんとなく「圧迫」と同じような意味がありそうと考えて「逼塞」を「あっそく」と読むと間違いです。
それでは、何と読むのでしょうか?
「逼塞」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「ひ○○○」の4文字
- 1文字目は「逼迫」と同じ読み方です
- 「隠居」と似た意味を持ちます
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「逼塞」の読み方、正解は・・・
正解は
「ひっそく」
です!
「八方ふさがり」や「世間から隠れ、ひっそり暮らすこと」という意味になります。
ヒントで「隠居」と似た意味を持つと説明しましたが、隠居が「従来就いていた官職や家業などから離れて生活を送ること」を指すのに対し、逼塞は「落ちぶれて」という意味合いが強くなります。
「逼」には「せまる」「縮まる」という意味があります。「逼迫」は「行き詰ってゆとりのない状態」を表します。
「塞」は「ふさがる」「ふさぐ」という意味があり、通路をふさいで守りを固めるというイメージから「とりで」という意味も持ちます。
「逼塞」は「八方ふさがりの状況から逃れ、ひっそり暮らす」ことを表しているのです。
現在は政治、経済のニュースなどにたまに出てくる程度であまりなじみがありませんが、江戸時代をあつかう時代劇では武士などに対する刑罰(謹慎)としても使われることがあります。是非覚えておいてください。
難読漢字、2問目は「穎脱」!
「穎脱」の読み方をご存じですか?
「穎」という字は「類」という字に似ているように見えますが、異なる字で読み方も「るいだつ」ではありません。
それでは、何と読むのでしょうか?
「穎脱」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「え○○○」の4文字
- 「穎」の訓読みは「ほさき」です
- 「卓越」と似た意味を持ちます
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「穎脱」の読み方、正解は・・・
正解は
「えいだつ」
です!
「才能が特にすぐれていること」という意味になります。
「穎」には「穂先(ほさき)」の他に「(穂先のように)先がとがったもの」という意味があり、錐(きり)のようなとがったものを指すことがあります。
「穎脱」は紀元前に編纂された歴史書「史記」の故事をもとにした「故事成語」です。
「錐(きり)は嚢(ふくろ)につつんでおいても、自然とその穂先が現われるものだ」から、特に才能がすぐれている、という表現に使われるようになりました。
なお「穎」には「かび(かひ)」という訓読みもありますが、じめじめしたところに生える「カビ」とは無関係で、やはり「穂先」を指す言葉です。農業や園芸ではイネ科の果実(米などの穀物)のことを「穎果(えいか)」と表現しています。農業に詳しい方なら「穎脱」もすらすら読めるかもしれませんね。
難読漢字、3問目は「苧殻」!
「苧殻」の読み方をご存じですか?
「苧」は「芋」という字に似ているように見えますが、イモとは意味も読み方も関係ありません。
それでは、何と読むのでしょうか?
「苧殻」の読み方のヒントはこちら
- ひらがなで書くと「○○ら」の3文字
- 「苧」は植物の名前です
- 夏休みにある行事に関係するもののことです
以上の3つのヒントから考えてみてください。
「苧殻」の読み方、正解は・・・
正解は
「おがら」
です!
「苧殻」は「麻の皮をはいだ茎」のことで「麻幹」とも書きます。
この苧殻は、茅葺き(かやぶき)屋根の下地にも使われることがありますが、よく見かけるのは「迎え火」です。
お盆の時期が始まると、先祖の霊が家に戻ってくるとされているので、目印になるように火を焚きます。これが迎え火ですが、その時に燃やすものとして、苧殻が使われるのです。
麻や麻と同じように使われた「苧麻(ちょま、からむし)」は、古来より清浄でけがれていない植物とされてきました。ご先祖様をお迎えするにあたり、悪霊などの不吉なものが一緒に家に入らないように、清浄な火で迎え火を行います。苧殻は悪いものを寄せ付けないための重要な役割を持っているのです。
お盆の季節になると、お花屋さんや仏具屋さん、ホームセンターなどで販売している「苧殻」。お盆が近づく頃に見つけたら、この字を思い出してくださいね。
さて、難読漢字3問、いかがでしたか?
今ではあまり使われない表現もあれば、現代まで続いている行事に関連するものもあり、ひとくちに難読漢字と言っても様々です。読めた方も読めなかった方も、漢字のなりたちに興味を持っていただけると嬉しいです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!