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ミシガン大学が提唱する「健康」の新しい概念、8 Dimensions of Wellness(ウェルネスの8次元)とは?

山城
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こんにちは、ライフスタイルメディア「DO-GEN」を運営している山城(やましろ)です。

日本ではまだ定着していない「健康」の概念にウェルネスの8次元(8 dimensions of wellness)というものがあります。この「ウェルネス」や「ウェルネスの8次元」は、近年アメリカやカナダなどでは学校で教えられるほど大切なコンセプトなのです。

日本語のサイトでもいくつかウェルネスについてはあるのですが、ウェルネスという概念が捉えにくかったり、あまり詳しく書かれていなかったりするように感じられました。

今回の記事を通じて、ウェルネスそしてウェルネスの8次元のことを正確にお伝えしていきたいと思います。そしてみなさんが少しでも「健康」を見直していただけると光栄です!

そもそもWellness(ウェルネス)とは?概念を説明!

ウェルネス(Wellness)とは身体的な健康だけではなく、精神的な健康を含めた健康観のことを指し、人生の送り方、人生における充実感や喜びについてを見つめ直すことを助けます。

このウェルネスは、同じ「健康」という意味のヘルス(Health)とは異なり、より広義の健康を示します。身体的健康を意味する「ヘルス」だけではなく、それに精神的健康などを加えたものが「ウェルネス」となっています。

また、ウェルネスは、病気でないことやストレスがないということではありません。困難に立ちはだかっていたとしてもウェルネスは追求することができるのです。

8 Dimensions of Wellness(ウェルネスの8次元)とは?考え方が生まれた経緯も教えます!

そもそもこの「ウェルネス」は古代から存在している概念です。その時代は、身体の健康と精神の健康の調和を意識的に目指すことをさしていました。その後も似たような考え方が伝わっていきますが「ウェルネス」という言葉が使われることはありませんでした。

現代使用されているような「ウェルネス」という言葉が生まれたのは1950年代からで、アメリカの医学者、ハルバート・ダンの『High-Level Wellness(ハイ・レベル・ウェルネス)』(1961)により初めて提唱され、段々と一般的に知られるようになりました。

この記事では、数あるウェルネスの考え方の中でも、比較的新しく一般的な8 Dimensions of Wellness (エイト・ディメンションズ・オブ・ウェルネス)という、ウェルネスを8つの構成要素に分けた考え方を解説していきます。

ちなみに、ウェルネスの要素を6つと考える場合は、身体、知性、環境、感情、職業、社会という次元の分け方となり、そして7つとする場合には、これらに精神の次元が付加されます。

そして、今回取り上げる 8 Dimensions of Wellness は、更に金銭の次元を加えたものとなります。このウェルネスの考え方のモデルは、2012年にミシガン大学とNational Wellness Instituteによって考えられたものです。

8 Dimensions of Wellness(ウェルネスの8次元)の8つの次元を詳しく解説!

8 dimensions of wellness のウェルネスは、身体、知性、環境、感情、金銭、職業、社会、精神の八つの次元からなります。これらは相互につながっていて、一つがもう一つのウェルネスの構築を助けるように働きます。

また、ウェルネスは個人個人の経験や環境に関わっているため、自分なりのウェルネスのバランス見つけることが必要なのです。特に精神的に辛い状況に陥った時には、ウェルネスのバランスを見直し、柔軟に変えていくことが重要だと言われています。

以下に8次元それぞれの詳しい内容が書かれています。自身に当てはめて考えて頂けるとわかりやすいと思います!

1.身体(Physical)

身体の次元では、十分な運動、良質な睡眠、健康的な食生活の重要性の認識することが大切になっていきます。

さらに詳しくすると、

  • 日常的な運動を行えているか。
  • 7-8時間の睡眠を取れているか。寝る前のScreen Timeや激しい運動、食事を控えられているか。
  • 栄養を十分にとりバランスの取れた食事を取れているか。

の三項目が中心となっています。そして、これらに加えて、

  • 煙草やお酒、その他の薬物を謹んでいるか。
  • 安全性を意識できているか。(賞味期限の確認、運動の安全確保・対策がきちんと行えているか。)

なども身体的ウェルネスに含まれます。

身体的ウェルネスを通して、これらを達成することは、病気にかかりにくくなり、健康寿命を伸ばすことに繋がります。

2.知性(Intellectual)

知性の次元では、知的・技術的関心を広げることや、創造性、広い心を身に付けることが重視されます。

具体的な例として、

  • 読書、パズルといった脳トレーニングなど、脳を活性化させるアクティビティーを行なっているか。
  • 他人と議論を交わしたり、知識を伝達することができているか。
  • 楽器や言語など新しい教養・趣味に挑戦することができているか。

などが挙げられます。

このようなことを達成し、知的ウェルネスを高めることで、優れた集中力や記憶力の発揮、批判的思考の上達を促すことができます。

3.環境(Environmental)

環境の次元では、自然面と社会面での身の回りの環境的健康を目指します。

具体的には、

  • 環境を気遣い、リサイクルや節電・節水を心がけることができているか。
  • 自然と触れ合う機会を設けているか。
  • 近隣の方々や勤務先などで助け合う関係が築けているか。
  • デスクや部屋など身の回りの環境整備ができているか。

などが挙げられます。

環境的ウェルネスを考慮し適切な環境にいることで、安心感を得られることに加え、刺激を与えられるという効果を得ることができます。

4.感情(Emotional)

感情の次元では、感情を表現することや、感情的困難を調整することを中心に考えます。

例えば、

  • 自信を持っているか。
  • 感情や行動のコントロールをし、困難を対処することができるか。
  • 自分の感情を理解し、そしてそれらを信頼できる人たちに伝えることができるか。
  • 自分の強みを知ること、そして自分が得意になりたいことを知ることができているか。
  • ポジティブに物事を捉えられるか。

などが考えられます。

これらの感情的ウェルネスを通して、様々なストレスを乗り越えること、人生を楽しむことが可能になります。

5.金銭(Financial)

金銭の次元には、収入や借金、貯金だけではなくそれらの理解が含まれます。また、これら金銭的な現状とこれからに対する満足感や期待もこのウェルネスに含まれます。

例を挙げると、

  • 自分の財政状況を理解できているか。
  • 適切なお金の遣い方が定着されているか。
  • 金銭的な将来プランを持っているか。

などがあります。

日常における金銭的ウェルネスを配慮することで、金銭面のストレスや不安を軽減することができます。

6.職業(Occupational)

職業の次元では、仕事から生まれる豊かさや満足感の追求目標とします。

職業に関しては、

  • 同僚や上司と良い関係を築けているか。
  • 職場ストレスを乗り越えられるか。
  • 十分な報酬を得られるか。

あります。また、上記のような仕事面だけではなく、

  • 自分にあった職場内雰囲気を有する場所で働くことによって、支援されていると感じることができているか。
  • 自分の技術や能力、価値観や興味にあった仕事を見つけられているか。
  • 仕事とプライベートの時間のバランスをとれているか。

といったプライベートと職業の折り合いを考えることも重視されます。

職業的ウェルネスに置いての価値観や興味、信念などにあった活動への参加は、目的や意味を与えてくれることにつながります。

7.社会(Social)

社会の次元では、家族や友達、様々なコミュニティーなどと助け合える関係を築くことが望ましいとされます。

例として、

  • 組織に対する帰属感意識を持っているか。
  • 組織内で信頼関係を構築できているか。

などが挙げられます。そしてそのためには、

  • コミュニケーションスキルが身に付けられているか。
  • 尊敬の姿勢で他者と接することができるか。

なども大切になっていきます。

これらの社会的ウェルネスを身に付けることで、人との繋がりを実感しメンタル面でのサポートを感じることができます。

8.精神(Spiritual)

精神の次元では、人生の意味・目的の発見に繋がる信念や価値観を広げることに着目します。

  • 一番重要な価値観や信念を見つけ出し、それらを他者と共有することができるか。
  • 自信をもっているか。
  • 内なる平和を維持できるか。
  • 遊び心を忘れず好奇心旺盛に動くことができるか。

などが具体的には含まれます。

これら精神的ウェルネスを通し、自身の信念や価値観を理解することで人生の目的、意味を発見しつつ、冒険心を維持することで人生に対する希望を発見することができます。

8 Dimensions of Wellness(ウェルネスの8次元)についてまとめ

まとめ
  • ウェルネス(Wellness)とは、身体面だけでなく精神面を含んだ「健康」をより広い視点で捉えたものである。
  • 8 dimensions of wellness (ウェルネスの8次元)では、ウェルネスを身体、知性、環境、感情、金銭、職業、社会、精神の8つの次元から捉える。
  • 8つのウェルネスのバランスを自分なりに発見し、必要な時にはそのバランスを変更していくことが大切である。
  • それぞれの次元におけるゴールを設定することで、人生の充実感や満足感を得られ、健康を最大化することができる。

ウェルネスをまとめると上記のようになります。8 dimensions of wellness (ウェルネスの8次元)でそれぞれのウェルネスに関して自分に置き換えて考えると、自分の不足している部分が発見できると思います。そして、そこから自身にとってベストな健康を発揮できるバランスを探していただきたいと思います!

この記事を通して、「健康」という概念をもう一度見直すきっかけを少しでも提供できていれば、幸いです。

最後までお読み頂きありがとうございます!

ABOUT ME
山城(やましろ)
DO-GEN編集長の山城です。 脳科学を用いて仕事のパフォーマンスアップをするのが好きです。 よろしくお願いします。