漢字読み講座

「顔」「捷報」「迭いに」これらの読み方は?【難読漢字に挑戦!】

今回のお題は「顔」「捷報」「迭いに」です。

どこかで見たような気もするけどなかなか難しい…

あなたには全て読むことができますか?

1問目はこの漢字から!「顔」

「顔」はかお、がん、ですね!

では4文字なら何と読みますか?

早速ヒントを見てみましょう。

「顔」の読み方のヒントは?

1.「顔」をひらがなにすると4文字になります。

2.「顔」と似たイメージの言葉には、「みめ」「面貌」「面立ち」などがあります。

3.『御室あたりの夕暮に、花の顔みるたのしみも……』中里介山「大菩薩峠」より引用

正解は…

「かんばせ」でした!

文学作品では「貌」と書かれることもあります。

顔の造作そのものではなく、顔つき、表情、容貌といった雰囲気そのものも含みます。

また、対面(たいめん)や面目(めんぼく)など自分の立場や名誉を指す場合もあり、良い意味でも悪い意味でも使われます。

昔は花のように美しい顔を「はなのかんばせ」と喩えたそうです。

『花の顔 月の眉、女子にして見まほしき優男』「牡丹灯籠」より引用

上記は有名な怪談「牡丹灯籠」のお露が新三郎に一目惚れした際の言葉です(後に化けて出るのですが)。

「顔(かんばせ)」の語源

「顔(かんばせ)」の語源は諸説ありますが、「顔」と「馳す・馳せる」の連用形という説が有力です。

「馳す・馳せる」は「走る」につながり、心を馳せる、馳せ参じる、のように心のはたらきが外へ出ていくニュアンスです。

2問目はこの漢字!「捷報」

「捷報」の読み方をご存じですか?

「捷」は「敏捷」という言葉で見かける字です。「敏捷」は素早いことを意味しているので「捷報」を「そくほう」と読むと間違いです。

それでは、何と読むのでしょうか?

「捷報」の読み方のヒントはこちら

  1. ひらがなで書くと「し○○○」の5文字
  2. 1文字目は「敏捷」の2文字目と同じ読み方です
  3. 「捷」には「勝つ」という意味があります

以上の3つのヒントから考えてみてください。

「捷報」の読み方、正解は・・・


正解は

「しょうほう」

です!

「試合や戦争に勝ったという知らせ」という意味です。
「勝報」と書くこともあります。こちらの方がわかりやすいですね。

「捷」には「すばやい」の他にヒントに出した「勝つ」や「ちかい(近い)」という意味があり「大捷(たいしょう)」という熟語もあります。「大勝」と同じく、大きな差をつけて勝つという意味になります。「勝」と同じような理由で人名にも使われることもあります。

かつて中国で行われていた官吏登用試験に「科挙(かきょ)」というものがありました。

科挙は倍率数百倍ともいわれる難しく厳しい試験でしたが、合格した時に送られる通知のことを「捷報」と呼んだそうです。まさに多くの受験生に勝つことでやっと得ることのできる、勲章のようなものだったのでしょう。

現代は「敏捷」以外ではあまり見かけない漢字ですが、違った意味があるということを是非覚えておいてくださいね。

最後はこの漢字!「迭いに」

「迭いに」が読めたら漢字マスター!

よく見ると、「迷」でも「送」でもありませんね。

この漢字、何と読むのでしょう?

「迭いに」の読み方のヒントは?

1.「迭いに」をひらがなにすると「〇〇〇いに」となります。

2.「迭いに」の類義語には「かわるがわる」「しばしば」「交互に」などがあります。

3.『ついに迭いに闘いたりき。』泉鏡花「義血侠血」より引用

正解は…

正解は「たがいに」でした!

入れ替わる、抜けて他の者と代わる、通り過ぎる、逃げるなどの意味があります。

更迭(こうてつ)の「迭」ですね。音読みは「テツ・テイ・イツ」、訓読みは「迭いに(たがいに)」「迭わる(かわる)」、漢検準2級8画の漢字です。

しんにょうは十字路の象形で「立ち止まる足」をあらわし、「失」は5本の指のある手で「手からそれた物」をあらわしています。

「迭」を使う熟語

更迭(こうてつ):ある地位、役目にある人を他の人と代えること。

交迭(こうてつ):ある地位、役目にある人が他の人に代わること。特に内閣が替わる際に用いられる。

両統迭立(りょうとうてつりつ):後嵯峨天皇の後、持明院統(後深草天皇の血統)と大覚寺統(亀山天皇の血統)の2つの皇統が交互に皇位に就いたこと。

ABOUT ME
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ライターの眠兎(みんと)と申します。 ひょんな思い付きから漢字検定2級を取得し、それ以来漢字の魅力に取りつかれてしまいました。 まだまだ知らない漢字がたくさんある私ですが、記事を書きながら楽しく勉強していきたいと思っています!