睡眠の質を上げる

子どもの睡眠不足が成績にも影響を与える⁉︎子どもの睡眠と成長の関係とは?

日本ではこのところ「睡眠」が注目を集めています。科学的な解析が進み、睡眠が健康や美容だけでなく、成績や仕事にも影響を与えることがわかってきたためです。そして睡眠は、子どもの成長にも大きな影響を与えることがわかってきました。しかし日本の子どもは、諸外国と比べて睡眠時間がかなり少ないと言われています。そこで今回は、子どもの睡眠時間と成長の関係をみていきましょう。

子どもの睡眠が成長に与える影響とは?

勉強する子供

日本には「寝る子は育つ」という言葉がありますが、これは単なる言い伝えではありません。子どもの成長に大きな影響を与える成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されるため、この言葉は科学的にも正しいものだといえるでしょう。では睡眠は、具体的に子どもの成長にどういった影響を与えているのでしょうか。

睡眠不足は脳の発達に影響する

成長ホルモンには骨や筋肉の成長を促す役割があるといわれています。そのため睡眠が不足すると子どもの身長の伸びにも影響しそうですよね。

ところがイギリスの研究によると、睡眠と身長の伸びには相関関係が見られなかったそう。では睡眠は子どものどこの発達に影響を及ぼしているのでしょうか?

東北大学が行った研究によると、睡眠時間と子どもの脳の海馬の体積に相関関係があることがわかりました。睡眠時間が短いほど、海馬の体積が小さかったのだそうです。

これは睡眠不足により脳の発達が遅れてしまう、または脳が破壊される可能性があるということを示しています。

また大人を対象に行われた研究で、睡眠不足により前頭葉の働きがにぶくなるといった報告もあるそうです。前頭葉は感情や意欲をつかさどり、判断や社会性などに影響を与えるといわれる場所です。

この研究によると、睡眠不足により意欲が失われる、キレやすくなる、注意力や判断力がにぶるといった結果が得られました。これと同様のことが子どもにも当てはまるのでは?とされています。

実際専門家によると、睡眠不足の子どもはイライラしやすい、集中力が続きにくい、攻撃的になりやすいといった傾向が見られるそうです。これ以外に、言語発達とも関連があるのでは?ともいわれています。

睡眠不足は成績にも影響する

日本の子どもの中には、睡眠時間を削って夜遅くまで勉強をしている子も多いでしょう。しかしこれはNG。日本や諸外国の調査により、睡眠時間が長く就寝時間が早い子ほど、学業の成績が良いことがわかったそうです。

これは睡眠不足により脳にダメージが与えられ、意欲や集中力が失われ、記憶がしにくくなり、論理的な思考も阻害されるためだと考えられます。

子どもの理想的な睡眠時間は?

赤ちゃん

では子どもの理想的な睡眠時間はどれくらいなのでしょうか?全米睡眠財団によると、子どもの年齢ごとの睡眠時間の指標は以下のようになっています。

年齢 1日に必要な睡眠時間
4ヶ月〜12ヶ月 12時間〜16時間
1〜2歳 11時間〜14時間
3〜5歳 10時間〜13時間
6〜12歳 9〜12時間
13〜18歳 8〜10時間

日本の0〜3歳児の睡眠時間の平均は11時間30分ほどとこの指標には届いておらず、世界でもワースト1、2位を争うほど。しかし最近は睡眠を意識する家庭が増えており、改善傾向にあるともいわれています。

子どもを眠りに導くコツ

寝る赤ちゃん

「子どもに睡眠が大切なのはわかっているけど、なかなか寝てくれなくて」と困っている保護者の方もいるでしょう。そこで子どもを眠りに導くコツをご紹介しましょう。

日中の外遊びをたっぷりさせる

人を眠りに導く役割を持つホルモンが、メラトニンです。このメラトニンは日中たっぷり太陽を浴びることで、分泌量が増えます。そのため日中子どもを外で遊ばせるようにすると、効果的です。外でたくさん体を動かすことで体も疲れるので、そういった面でも眠くなりやすくなるかもしれませんね。

早寝よりも早起きを意識

子どもの睡眠不足を心配し、「早く寝かせなきゃ」と焦る保護者の方は多いのではないでしょうか。しかし子どもの体内時計が狂っていると、なかなか早い時間に寝付けません。

子どもを早く寝かせるためには、体内時計を調整する必要があります。それにはまずは早起きだけを意識すると効果的です。

寝る時間に関係なく毎日早い時間に起こすようにして、ベランダなどで朝日を浴びさせます。これを2週間ほど続けると、体内時計が徐々に早寝早起きできるようにシフトします。

お風呂に入ってから夕食を食べる

人は深部体温が下がることで、眠くなりやすくなります。これを助けるのが入浴です。入浴により上がった深部体温が徐々に下がることで眠りに導かれるのです。しかし入浴直後は体温が上がっており、心身ともに興奮状態となっています。そのため入浴してすぐ就寝だと、眠くなるまでに時間がかかります

お子さんが夕食を食べてからお風呂に入っている場合は、お風呂に入ってから夕食を食べるという順番に変えてみましょう。そうすると夕食後に自然と眠くなり、急かせなくても自分から寝室に向かうようになるかもしれません。

子どもの睡眠時間を充実させて健やかな成長を

赤ちゃんとお母さん

子どもの成長には、睡眠が大きく影響することがわかりました。特に脳の発達への影響が大きいことは、意外に感じた方も多いのではないでしょうか。とはいえ、「寝かせる努力はしているけど、なかなか寝てくれない」と悩んでいる保護者の方も多いでしょう。そんなときは、今回ご紹介した寝かしつけ方法を参考にしてみてくださいね。

ABOUT ME
rinoyuzu
40代の女性です。最近夜中に目が覚めてしまうことが多く悩み中です。より良い睡眠を得るための方法を探索中。良い情報が見つかったらみなさんと共有していきたいです。