マインドフルネスや瞑想、坐禅が最近話題になってきていますが、我流でやるのは効果があるか心配だ…という方も多いと思います。
そこで、東京都内の世田谷区で気軽に坐禅を体験できるという東京禅センターへ取材に伺い、お坊さんにお話を聞いてまいりました。
目次
野沢龍雲寺徒弟/東京禅センター補佐員 稲田健昌さん にお話を伺いました
本日は野沢龍雲寺徒弟、そして東京禅センター職員である稲田健昌さんにお話を伺えることになりました。坐禅についてや、どんなお寺で体験できるのか、そして椅子さえあればどこでもできる「椅子坐禅」についてお聞きします。
本日はよろしくお願いします!
坐禅会の流れについて
坐禅体験は、主に禅宗のお寺や関連施設で行われ、そのほとんどは坐禅を全くやったことのない初心者でも参加できるようなものとなっています。
今回取材に伺った「東京禅センター」では、以下のような流れで坐禅会が行われました。
- 坐禅の説明・指導(30分)
- 坐禅(15分×3セット)
- 和合の茶礼
- 質問タイム
まずはじめに、初めての方に向けた坐禅の際の座り方や姿勢、呼吸などをスタッフの方に説明してもらいました。
その後、15分の坐禅を3回行い(取材時はお寺の都合により坐禅は2回でした。)、和合の茶礼としてお茶とお菓子が振舞われ、最後にはスタッフのお坊さんが参加者の質問に答える、というような流れで坐禅会は終了しました。
坐禅中の様子
先ほども説明したように、座禅体験は合計2時間程度で行うことができます。
まずはじめに初心者の方に向けた座禅の際の足や手の組み方、姿勢、そして呼吸についての説明をスタッフの方から受けます。
その後、15分の座禅を2〜3セット、休憩を挟みながら行います。
2セット目以降は希望する方にのみ警策で軽く叩いていただき姿勢などを直してもらうことも可能です。
その後は和合の茶礼でお茶やお菓子が振舞われ、坐禅を指導してくださったお坊さんに質問をしたりお話をしたりする時間が設けられています。
坐禅を終えての感想
坐禅を実際に体験してみて、いかがでしたか?
1セット目では住職の方に姿勢を直してもらい、2セット目では、坐禅の際に使う棒「警策」で軽く叩いてもらいました。
終わってみた後の感想として、自分の世界に入り込めた気がしました。
坐禅の後にお寺のお坊さんのお話も聞き、坐禅を身近に感じましたし、初めての方でも気軽に来やすい雰囲気だな、と感じました。
坐禅会に足を運ぶのはどんな人?
坐禅というと、「お坊さんたちがやるもの」というイメージがあったのですが、今回のような坐禅体験会にはどういう方がいらっしゃるのですか?
坐禅と聞くと「敷居が高い」ととられる場合が多いのですが、実際、坐禅は座布団一つでも行える、もっと言えばそれすらなくても行える本当に気楽なものなんです。
日常で、少し座って落ち着くためのものであり、どこでもみなさんにやっていただけるものだと考えています。
東京禅センターで行なっている活動について
東京禅センターでは、坐禅体験として9年前から行なっているのですが、お寺の敷居の高さを払拭するためにホールを使ってホールを使って坐禅をしていただいております。少しでも最初の敷居の高さを払拭できれば、という試みですね。
それ以外にも椅子坐禅を中心の「Zen Cafe」というものもおこなっておりまして、椅子を使っての坐禅コースも作っています。
坐禅体験ができる場所について
坐禅体験をしてみたい場合はどのようなお寺で体験することができますか?
坐禅体験というのは主に禅宗で行なっているものですから、我々「臨済宗」もしくは曹洞宗のお寺でするのが一番かと思います。
最初からお寺に行くのに敷居が高いと感じる方向けに、私共東京禅センターでは、「坐禅体験」という講座を開いています。
最初にどこに行けばいいか分からないという方は、一度私共の方に来ていただいて坐禅のやり方をここで教わっていただき、次へ繋げ、坐禅を進めていただければ、と思います。
東京禅センターでは、世田谷区野沢で毎週火曜日の昼間と、谷中のお寺で月に一度、水曜日に昼と夜に、そして鶯谷でも月に一度、坐禅体験会を行なっています。
椅子坐禅は表参道や中目黒、国分寺のカフェで椅子坐禅の会を行なっています。
手軽にできる「椅子坐禅」、そのやり方を解説
気軽にできる「椅子坐禅」というものがあると聞いたのですが、そのやり方を教えていただけますか?
はい、それでは椅子坐禅の仕方を説明していきます。
椅子の高さと座り方について
椅子はなかなか選べなかったりするので、椅子の高さを合わせるために座り方で調整します。
座っている椅子が高いと感じれば浅めに、逆に低いなと感じれば深めに座るなど、高さを調節していただければと思います。
そして体を少しゆすり、座面とお尻をしっかりくっつけた状態で、足の土台の上に腰を乗せていきます。
椅子坐禅の際の姿勢について
姿勢についてですが、一度体を前に倒して、胸を張りながら上体を起こし、少し普段よりも腰を入れている感じを作ります。
上半身は頭の上を糸で引き上げられるようなイメージで、同時に顎を少し引く事も意識し、視線は少しだけ伏し目にして、全体を眺めるような感じでいてください。
椅子坐禅の際の呼吸について
坐禅の呼吸についてですが、必ず最初に吐いてから始まるという風に言われております。
自分の中にあるわだかまりであったりモヤモヤを細長くゆっくり息と一緒に吐き出しましょう。
息を吐き出せば、自然に新しい空気が肺を満たします。今度は細長く鼻から息を吐き、また自然に空気が入ってきます。
この呼吸の繰り返しになります。
無理に目一杯吸ったり吐いたりすると苦しいものですから、普段の呼吸より少しだけ大きく深い呼吸を、ほんの少しでよいので意識していただければと思います。
坐禅体験についてのまとめ
- 坐禅会では、初めての方でも参加しやすいようにキチンと坐禅の姿勢を説明される
- 坐禅は敷居が高いように見えるが、本来誰でもできるものである
- 東京禅センターでは、ホールでの坐禅会や、椅子坐禅中心のZen Cafeなど様々な形での坐禅体験ができる
- 坐禅体験は臨済宗や曹洞宗のお寺がオススメである
- 日常でもできる「椅子坐禅」というものがある
- 椅子坐禅の呼吸は最初に吐いてから始める
ここまで読んでいただきありがとうございました。
一見敷居の高い坐禅会ですが、現在はさまざまな形での坐禅体験会が開催されており、気軽に参加しやすくなってきている、という印象を受けました。
読者のみなさまも、坐禅会に足を運んでみたり、自宅や会社の休み時間に椅子坐禅をしてみてはいかがでしょうか?
東京禅センターについて
「東京禅センター」では、世田谷区野沢でできる「禅体験」や「写経体験」仏教や禅について分かりやすいお話を聞ける「法話会(ダンマトーク)」、中目黒や表参道でできるイス坐禅体験「Zen Cafe」など様々な形で「禅」を体験できます。
- HP:https://www.myoshinji.or.jp/tokyo-zen-center
- 電話:03-5779-3800
- 住所:〒154-0003 東京都世田谷区野沢3-37-2 龍雲寺会館