漢字読み講座

【今日の難読漢字】「郁しい」「徐に」「流石」「件」「四十物」あなたは読めますか?

今日の難読漢字は

「郁しい」

「徐に」

「流石」

「件」

「四十物」

の5つです。

さて、なんと読むか分かりますか?

1つ目の漢字は「郁しい」

「郁しい」

この漢字、何と読むかわかりますか?

すぐにわからなくても、
漢字の意味をイメージすれば読めるかもしれません。

「郁しい」の読み方のヒントはコレ!

  • ヒント1:よい香りであるさま。盛んに香るさま。
  • ヒント2:美しく、気品高いさま。

そろそろピンときている人もいるのでは…?

「郁しい」の読み方!正解は…?

「郁しい」の読み方、正解は……

「かぐわしい」です!

一般的には「香しい」「芳しい」と書きますが、
下記の通り言葉の意味は同じです。

  • よい香りであるさま。盛んに香るさま。
  • 美しく、気品高いさま。

「郁」が使われる言葉

「郁」の音読みは「いく」ですが、
どうして香りを表す意味を持つのか
イメージできない人もいるのではないでしょうか。

そこで「郁」が使われる言葉を2つ紹介します。

  • 馥郁(ふくいく):香りが高いさま。かぐわしい。
  • 郁郁(いくいく):香りが高いさま。かぐわしい。

そう、「郁」は音読みで「いく」と読む場合でも、
香りを表すときに使われる言葉
なのです。

このことを押さえておくと、
「郁しい」と書いて「かぐわしい」と読むのも納得ですよね。

ちなみに、「郁郁青青」と書いて「いくいくせいせい」と読む四字熟語もあり、
こちらは「花がよい香りを漂わせ、草木が青々と茂るさま」を表す言葉です。

どの言葉も日常会話で使われることはほとんどありません。

しかし、日記やはがき、お手紙などで使ってみると
情緒豊かな人だと褒めてもらえるかもしれませんね。

2つ目の漢字は「徐に」

小学校でも習う「徐」という漢字ですが、「徐行」や「徐々に」というように「じょ」というイメージが強いかと思います。

確かに「じょ」と読むことの方が多いかもしれませんが、実は訓読みが存在します。

「徐に」読み方のヒントは?

「ゆっくり」を別の言い方をしてみると、ヒントが見えてくるかもしれません。

「徐に口を開く」のように、緩慢な動作で、ゆっくりと行動する際に使われます。

「徐に」の読み方、正解は…

正解は、

「おもむろに」

です!

「徐々に」は「段階を踏んでゆっくりと」という意味ですし、「徐行」は「ゆっくり行く」ことですよね。

そもそも「徐」にはゆっくりという意味があるのです。

「徐に」は、「ゆっくりと」という意味を表す「おもむろに」と読むのでした。

「じょに」と読まないように注意してください。

3つ目の漢字は「流石」

「流石」

「りゅうせき」と読んでしまったあなた…間違いではありません。

「流石」は苗字では、「りゅうせき」「ながれいし」などと読む場合もあります。

しかし、会話の中で使う「流石」は別の読み方をしますよ!

「流石」読み方のヒントは?

ヒントは、「評判・期待通りで、改めて感心した」時に使われることが多いです。

類語には、
「伊達に〇〇じゃない」
「〇〇だけのことはある」などが挙げられます。

「流石」の読み方、正解は・・・

正解は・・・

 

「さすが」

です!

「こんな難しい問題を解けるなんて、流石だ!」のように、相手への称賛を込め、改めて感心した時に使う場合や、

「とっても美味しい料理だが、流石にお腹がいっぱいだ。」のように、「そうは言っても」「そうではあるが、やはり」といった、あることを認めつつも、反対の気持ちを持つ場合にも使われます。

「流石」は、2字以上の漢字を訓読みする「熟字訓」という特殊な読み方です。
熟字訓の例としては、大人(おとな)や昨日(きのう)などが挙げられます。

なので、「流」は「りゅう」って読むからえーっと…などと、漢字から読み解こうとせず、「さすが」と読むと覚えちゃってくださいね。

4つ目の漢字は「件」

突然ですが、

「件」

この字を「ケン」以外で読めますか?

具体的には、話の途中で「件の店の紅茶ってオリジナルブレンドなんだって」のように使うのですが……。

「件」読み方のヒントは?

「件」は「あの」や「例の」の代わりに使われます。

会話のなかでお互いがすでにわかっている事柄に対して、代名詞のように用いるのですね!

少し変わった音の響きで、筆者的には口癖のように何回も言いたくなってしまいます!

「件」の読み方、正解は……

「件」の読み方、正解は……

「くだん」です!

「くだんのお客様からのご要望です」

「くだんのアニメ、けっこうイイよ」

などのように使います。

「くだん」には、

あのアニメ」「この前言ってた店」「さっき話してたお客さん」のようにさまざまな言い換えがあります。
日常会話で使う機会は少ないかもしれませんね。

ビジネスシーンなどで「くだんの用件ですが……」と言えたら仕事がデキる人って思ってもらえるかもしれません。
ぜひ使ってみてくださいね!

5つ目の漢字は「四十物」

「一」と書いて「にのまえ」のように、漢数字にはどうにも不思議な読みをするものが一定数存在しているようです。

今回紹介する「四十物」もその一つ!

「しじゅう」と書きますが、まったく異なる読み方をします。

「四十物」読み方のヒントは?

「四十物」は全部でひらがな4文字!

「〇〇〇〇」と読みます。

「物」はそのまま「もの」と読むので、「四十」にあたる部分の読み方を考えることになります。

「四十物」自体には、鮮魚と乾魚とのあいだの物で、干魚などを塩で処理した海産物のことを指します。これがヒントです。

おわかりでしょうか?

「四十物」の読み方、正解は……

「四十物」の正解は……

「あいもの」です!

「四十」の部分を「あい」と読ませることには諸説由来があります。

もっとも有力なのは、当時、鮮魚と干魚のあいだのもの=「あいもの」の種類が40種類あったことから「四十物」と当てた説です。

後に「四十」の部分が「あい」だろうと解釈され、現在では「四十川(あいかわ)」や「四十谷(あいたに)」などの新しい名字も生まれたようです。

「四十物」さんは現在富山県を中心に、兵庫や石川県などにも住まわれています。

まとめ

今日の難読漢字5つ、あなたはいくつ読めましたか?

ぜひまた漢字クイズに挑戦してみてくださいね☆

最後までお読みいただきありがとうございました!